日本で見られるモノレールの構造は?
モノレールにもその構造でいくつかの種類が有りますが大きく分けてレールに跨って走る跨座式とレールにぶら下がって走る懸垂式に分けられます、跨座敷ではアルウェーグ方式を改良した日本跨座敷が・・懸垂式ではサフェージュ式と言われる種類が多く見られます。
このコーナーではアルウェーグ日本跨座式の多摩都市モノレール、サフェージュの懸垂式を用いる千葉都市モノレールで車両基地を一般公開した時に撮影した画像を元にしてその構造を見比べて見ました。

アルウェーグ、日本跨座形の例
多摩都市モノレール1000形
日本跨座形と言われるモノレールは客席床がフラットになる分走行用機器を収めるスペースが広くなり本来のアルウェーグに比べ背高のっぽに見えてしまいます。
サフェージュ、懸垂形の例
千葉都市モノレール1000形
懸垂形では機器類や連結器なども上にありその構造上車体がひっくり返ったように見えてしまいます、ライト(前部標識灯)も上のレールを照らすようになっています。
普段は見ることの出来ない台車や床下機器が見えるように点検用扉を開いてたモノレール車両、羽根を広げたようにも見えてしまいます。
懸垂形の場合は屋根上機器と言うところか、主要な機器類は屋根に搭載されている形になります、ただし台車はその上のレールに収まるためここからは見えません。

跨座式の台車、この台車は走行用モーターを持たない付随台車になります。
走行用タイヤは2本並んで取り付けられている構造、丁度トラックやバスのリアで見られるダブルタイヤの様に見えます。
下の案内用タイヤでレール上部を挟み込む構造。
タイヤの下に見える茶色い円板は案内用タイヤがパンクし時にレールへ接触し案内をバックアップする車輪。
懸垂形の台車、通常は閉ざされたレールの中に収まるためこの様に見ることは出来ません、タイヤは歯車箱を中心にして両側に取り付けられています、飛行機の主車輪の様にも見えます。
真ん中の丸い物は走行用主電動機・・モーターです、台車全てにモーターが付くため付随台車は有りません、案内用タイヤは跨座形とは逆にレール内部で外側に押し広げ様に案内する構造、跨座式と同じくパンク時用の車輪も有ります。
上に見えるレールは給電用の+極架線。

ブレーキは空気圧を油圧に変換してディスクローターを挟み込む構造、ディスクは車軸ではなくモーターと車軸を結ぶ減速器の中間に付けられています。
この台車は駆動用台車で歯車箱が有ります、モーターからは2段の減速でタイヤを駆動、ディスクブレーキは車軸ではなく1段目の歯車軸に取り付けられています。
懸垂形では直接見ることは出来ませんがタイヤの内側にディスクブレーキ装置がある物と思われます、タイヤの間に空気圧を油圧に変換する作用装置が見えます。
歯車箱内には減速用と共に差動歯車・・車などでも使われるデファレンシャルギアも組み込まれ、カーブ走行時のタイヤ摩耗を抑えています。

多摩都市モノレールの駆動台車、跨座形では走行用モーターがレールの横に取り付けられ台車の高さを抑えています、同じ物が反対側にも取り付けられています。
台車に殆ど汚れが有りませんがこの編成は増備のため搬入されたばかりの新車でした。

懸垂形では走行用駆動タイヤの間に走行用モーターが収まっています、案内用タイヤを除ける為か少し斜めに取り付けられていることが解ります。
モーターの先端には何やらアクチェーターが付いていますがモーターのシャフトを締め付ける駐車ブレーキ辺りでしようか。

多摩都市モノレールの主電動機・・モーターは3相交流の誘導形でブラシや整流子と言った摩耗部分が無くメンテナンスが容易、VVVFインバーターにて制御されます。
このモーターが4両編成に12台使われています。
(両先頭車の運転室側はモーター無しの付随台車)

千葉都市モノレールの主電動機は電車用モーターの基本とも言える直流直巻整流子モーター、展示車両では整流子部分のカバーが外され整流子とブラシ部分が見られました、扱いやすいモーターですがこのブラシが摩耗しメンテナンスに手間がかかるのが弱点、制御はこれも電車の教科書とも言える抵抗制御方式。
出力は60Kw、2両編成で8台使用。

跨座形では台車と車体はダイヤフラム形空気バネ(タイヤのチューブの様に見える物)で直接繋げられています、その奥にはセンターピン(心皿とも言われ台車からの牽引力を車体へ伝えると共に台車の回転中心)も僅かに見えます。

懸垂形の千葉都市モノレールではベローズ形の空気バネ(真ん中の3つ重なった物)が使われていました、バネは両端にあり梁中心から下に車体がぶら下がっています、丁度センターピンが下に伸びてその先に車体が有る構造と見られます。
モノレールの場合タイヤがバネの働きをするため一般的な鉄道車両の台車に有る車輪軸受け部に有る軸バネという物が有りません、走行用タイヤの軸と歯車箱、モーターは同じ台車枠に固定されるためモーターと歯車箱間に必要な大がかりな撓み継ぎ手も有りません。

跨座形にある安定輪、レール桁の下側に接して車体のローリングを抑え横揺れを防止するためのタイヤ、やはりパンク時のバックアップ用車輪が有ります。
上側の案内輪と共に溝のないスリックタイヤ。

懸垂形に有る台車と車体を結ぶ強固な懸垂装置、万が一に備え中心には車体の重さに耐えうるワイヤーが有り台車が破損しても車体の落下を防止します、でもお世話になりたくないですね。(^^ゞ
ぶら下がっているためカーブでは僅かに外側へ振られます。

赤く見えるのは集電用パンタグラフ、こちらは+極側でエアシリンダーにより上げ下げ?が出来る構造。
跨座形では2線式で+側1本、−側も1本の架線を用いています。

懸垂形の+極パンタグラフ、跨座形と同じく+側はエアシリンダーにて上げ下げが出来ます、+極はレールの上側にあるため台車の上に取り付けられています。

こちらは−側のパンタグラフ、−側はエアシリンダーを持たず常時バネで加圧され帰線側の架線に接触している構造。
まだ使われていないのでピカピカです。

同じく懸垂形の−側パンタグラフ、こちらは台車の横に設置されやはりバネで常時帰線側架線に接触している構造、跨座形と違うのは−側架線が左右両方に有り3線になっていることでしょう。
販売コーナーでこのパンタグラフも売っていましたが小さいけど重い・・売れたのかなぁ。

跨座形モノレールの走行用タイヤ、跨座形ではレールの走行面が雨や雪に曝されるため溝付きのタイヤになっています、画像では見にくいですが縦溝以外に細かい横溝も有ります。

懸垂形モノレールでは走行面がレールの内側になり直接雨や雪に曝されないため殆ど溝のないタイヤになっています、よく見ると縦溝が2本有りますが排水用ではなく摩耗を見るためでは。

多摩都市モノレールの運転台機器で左手操作のワンハンドル、これは主幹制御装置のユニットだけを展示してありました、通常は出発ボタンを押すことによりATO・・自動列車運転装置にて加速、減速を行いこのマスコンハンドルを操作する必要は無いのですが運転士の技能維持のため手動運転を行う時間も設定されている様です。

跨座形の床下機器類

千葉都市モノレールの運転台機器展示は操作体験ができるようになっていました、こちらは右手操作のワンハンドルタイプ。
ATC信号に従い運転士が直接操作して走行します。
折角ならシミュレーターとまでは行かなくても前にビデオモニターを置き前方映像を流せば雰囲気が出せるかも知れません。

懸垂形の屋根上機器類
制御装置や空気圧系は跨座形、懸垂形での差はほとんど無くその製造年式によって違いが見られる程度となります、千葉都市モノレールの開業は1988年、当時はチョッパ制御や1部にインバーター制御も有りましたがまだ主役は抵抗制御方式でそれを採用。
多摩都市モノレールは2000年の開業でインバーター制御が一般的になっていました、千葉都市モノレールでも次期車種の5000形はインバーター制御での登場となります。
跨座形でも大阪モノレールや羽田を結ぶ東京モノレールでは今もカム軸と抵抗を用いた制御車が数多く活躍しています。

多摩都市モノレールの主制御装置、VVVFインバーターで直流1500Vから3相交流を作り出しその周波数と電圧を変化させモーターの回転数、出力ををコントロールします。
減速時は回生ブレーキ(減速時にモーターで発電された電力を架線に戻す電気ブレーキ)のコントロールにも使われます。
近年作られる鉄道車両の代表的な制御方式になります。

千葉都市モノレールの主制御装置、電動カム軸接触器を用い抵抗器とスイッチの組み合わせでモーターへ流れる電流を変化させてモーターの出力をコントロールします。
減速時には同じく抵抗器と組み合わせて電気ブレーキの制御・・ブレーキの強さもコントロールします。
古い制御方式になりますが電車の教科書的な制御方式です。

多摩都市モノレール車両の制御装置やモーターに流れ込む電流を大元で入り切りする大きなスイッチとも言える遮断機、機器の故障等で大きな電流が流れた時にも瞬時に動作し回路を遮断、安全を保つ大事な機器です。

千葉都市モノレール車両の遮断機とメインヒューズ、断路器と見られる大きなスイッチ、遮断機は電磁石の力で動作し電磁スイッチとも呼ばれます、家庭用の安全ブレーカーを大きくした物・・と言ったイメージでしょうか。

インバーター制御やチョッパ制御など高速で大電流をスイッチング・・オンオフして制御する方式では大きなノイズを発生させてしまいます、そのノイズを抑えるのがこのフィルタリアクトルの役目でコイルとコンデンサが組み込まれているタイプ。
他に平滑リアクトルという物もありますが直流モーターを用いる時に交流からの脈流やチョッパ制御のスイッチング電流を平滑させる物で用途が異なります。

モーターに流れ込む電流を制限し加速時の出力をコントロールする主抵抗器、構造は簡単ですが電力の1部を熱にして発散させるため無駄があり最近の鉄道車両は主抵抗器の入らないインバーター式になっています。
この抵抗器は減速時の電気ブレーキ、発電ブレーキ使用時にも負荷として使われモーターで発電された電流をこの抵抗器で消費、熱に変えることでブレーキをかけます。

多摩都市モノレールのブレーキ用制御箱、空気圧関連のバルブなどが収められています、電気ブレーキ・・回生ブレーキ関連の機器も右側の箱に収められています。
ブレーキ指令に対し回生ブレーキと空圧ブレーキの比率を演算し何時も同じ減速率になるよう調整されます。

千葉都市モノレールのブレーキ用制御箱、回生ブレーキを持たない為か多摩モノレールに比べシンプルに見えます。
右側の細長い箱はブレーキ制御の空気圧を電気信号に変換する機器、発電ブレーキをコントロールするため信号は主制御装置に送られます。

空気圧機器が1箇所に収められる集中管座方式の制御箱、電磁弁や減圧弁、逆止弁などが所狭しと配置されています。

多摩モノレールの制御箱に比べバルブ類が少なく感じます、1箇所に集中させず分散配置されているのかも知れません。

多摩モノレールのブレーキやドア開閉の源になる圧縮空気を作るコンプレッサー、2段圧縮のレシプロ水平対向4気筒、吸入空気のフィルターや除湿器、冷却器が一体化されたユニットになっいいました。

千葉モノレールの屋根上にあるコンプレッサー、詳しくは解りませんが形から見てスクリュー式か、上に見えるのは圧縮で温度の上がった空気を冷却する冷却器。

コンプレッサーで圧縮された空気をためておく”元空気溜”のタンク、(奥に見える大きなタンク)略して”ゲンダメ、モトダメ”とか鉄道会社によっては”メンアツ”(メインタンク圧力)と呼ばれます。
体験運転時にもこの”ゲンダメ圧力”は指差し確認の必須項目になっています。
常時650kpaから900kpa位の圧力空気が溜められブレーキなどで消費され圧力が設定値より下がるとコンプレッサーが回り出し上限設定値まで上がると止まる構造です。
手前は空気中の水分を取り除く除湿装置。

千葉モノレールの元空気溜タンク、手前に見える小さな物ではなくその後ろに隠れています、右側に見えるのはこれも圧縮時に温度の上がった空気を冷やす放熱器。
左側に見えるのは圧縮空気に含まれる水分を取り除く機器、それでもタンク内に凝結した水分が溜まるので定期的にその水を排出することが必要になります。
コンプレッサーの動作は跨座形と同じく圧力を検出して制御されます。

制御空気溜にはレギュレーター・・調圧器で500kpa弱に減圧された空気が込められています、自動空気ブレーキを持たないモノレールでは直接ブレーキには関係しませんが圧力が変化すると具合の悪い戸締め装置などへエアーを供給するための空気溜です。
このタンクは保安空気溜が併設されているのが解ります。

千葉モノレールの制御空気溜、艤装スペースが屋根上と狭いため直径より長さの長いタンクが使われている模様です。
空気溜には他にも空気バネ用など小さなタンクが設置されている事も多く全てを見つけるのは難しいかも知れません。

架線の直流1500Vから編成で使われる空調装置、照明、制御装置を動かす電源を作る静止形インバーター・・SVI装置。
停車中にはかすかに”チー・・・”と言った発信音が聞こえます。
製造が新しい為かユニット化されています。

千葉モノレールでも静止形インバーターを用いて編成で使用する低圧電源を供給、従来の電車では直流1500Vのモーターで発電機を回し編成で使用する電源を作っていましたが現在では軽くコンパクトで騒音も少ない静止形インバーターが主力となっています。
その他跨座形と懸垂形の構造比較では有りませんがこの様な違いも見られます。
懸垂形モノレールのポイント、分岐機はその規模は大きく見えますが線路を切り替える可動部分は小さくてシンプルな構造になっています、タイヤの通る路面と案内輪が接する部分が動きます。
動くところをよく見ていると可動部は一旦持ち上がり、その後横に移動しまた下がると言う動作をしています、可動部を持ち上げることによりロックを解除すると言うシンプルながら確実なロック方法が取られていました。

跨座形のポイントはレール・・桁が丸ごとゴッソリ動くため大規模な構造になります、狭く見えますがレール桁の幅は80cm有り転換後は列車の通過に支障が出ないところまで待避させる必要があります。
この画像は車両基地内の関節形(短い桁が繋がり角々したカーブ)分岐機ですが営業路線では可撓式という曲線的に撓む構造のポイントが使われます、その動きを見ていると巨大な蛇が動いている感じに見えます。(個人的に)

多摩都市モノレールの補助電源用バッテリー、最近補助電源用に用いられているアルカリ蓄電池と見られます。

千葉都市モノレールの補助電源用バッテリー、こちらは鉛蓄電池と見られます、停電時でも制御装置への給電や客室内非常灯の電源として使われます。

多摩都市モノレールではこの様な物も展示、冷房装置のユニットクーラーです、家庭用エアコンの室内機と室外機が1つの枠に収められた構造。
左が室内へ冷気を送る部分、右側が大気への放熱部分、真ん中は冷媒を圧縮するコンプレッサーが収まっています。

千葉都市モノレール屋根上機器で何の機器か判断できなかった物・・架線からの受電部に有るように見えます、アレスター・・避雷器か何かでしょうか。

この黒いゴムのヘラの様な物は・・・


これは接地用の電極で台車に取り付けられています。
車体はゴムタイヤで電気的に浮いているため走行中に静電気も溜まりやすく、駅ホームとの電位差で乗客に不快感を与えない様に駅のレールにはこの電極と接触するレールが取り付けられていて列車がホームに入ると静電気など浮遊している電気を逃がします。

千葉都市モノレールの機器で電磁式単位スイッチらしき物が並んでいます、進行方向を切り替える逆転機のスイッチかも知れません。

懸垂式の連結部分、連結は棒状連結器で永久連結式、不要な横揺れを防ぐローリングダンパーも備えているのは懸垂式ならでわ。

ブラシが目の前を通ると子供達の歓声も。

通常はなかなか見られない洗車風景。
どちらの車両基地公開でも行われていた洗車機通過体験、車体を洗う洗車機の中を乗っている列車から見て体験しようというイベント、千葉都市モノレールでは前もってハガキでの体験申し込みが必要でした。
多摩都市モノレールでは当日の先着順での整理券方式、共に基地内のレールは乗客の重量にまで対応していないため車両毎に人数を制限しての体験乗車になっていました。
  
跨座形のモノレールでは降雪時の空転、スリップを抑えるために砂撒き装置が取り付けられて居ます、先頭車の駆動用車輪の前に圧縮空気と共に噴出する構造、これは鉄車輪を使用する一般の鉄道で機関車にも付いている装置。
同じく跨座形ならではの除雪ブラシ、冬になると検査点検に入庫した順に取り付けられ降雪に備えます、普段はブラシがレール面より浮いていて降雪時使用するときは運転台からの操作でシリンダーに圧縮空気を送りブラシ部分をレール面に圧着させます。
開業当初はもっと大きく連結器部分に取り付けていましたが最近の物はコンパクトになり連結器の下側に収まっています、除雪ブラシ使用時は手動運転となり最高速度が抑えられるためダイヤに遅延が生じる事が有ります。
跨座形、懸垂形、その構造の違いで検修庫・・整備場も跨座形は平屋構造で地上に各施設が有り、懸垂形では検修庫も2階3階建てと背が高くなっているのも面白い所です。
その他車両基地で撮影したスナップ的画像はモノレール車両基地見て歩き・・へ並べて見ました。
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