10月は、女性に多い冷え性や便秘について取り上げたいと思い、
漢方治療がご専門の先生をお招きしています。
東京女子医科大学 東洋医学研究所 副所長の木村容子先生です。
西洋医学ではなかなか対処しづらい冷え性や便秘も
東洋医学では治療対象になります。

構成台本を作っていたら、あの情報もこの情報も・・・と
ついつい欲張って、長くなってしまい、
制作仲間から「吹田さん、長過ぎますー!」
と言われ、泣く泣く、本番直前に質問項目などを減らして
スリムな構成にしました。
その場で臨機応変に対応して下さった木村先生は、
要所を押さえ、丁寧に分かりやすく解説して下さいました。



'08.10.5放送 「漢方治療とポジティブエイジング」




●木村先生の著書「漢方の知恵でポジティブエイジング」
先生が提唱されている「ポジティブエイジング」とは?

    
「ポジティブ・エイジング」というのは、
年齢を重ねることに前向きに対処していこう、という意味です。


●東洋医学の漢方では病気をどのように捉えるのでしょうか?

「病は気」からという言葉があります。
この「気」こそが、東洋医学でいう「気・血・水」の「気」です。
ココロの状態や人間が持っているエネルギー全体を意味します。
また、「血」は血液、「水」は血液以外の体液を指します。

これら3つの要素がバランスよくカラダの隅々まで巡っている状態を
「健康」ととらえています。
逆に、それぞれのバランスが崩れたり、
カラダのどこかで滞りが起きたりすると、カラダが不調を感じます。



●この「気・血・水」がバランスよく巡っているかどうか、
 木村先生が作られたセルフチェックリストで
「気の状態」をチェックしましょう。
 5項目ありますので、当てはまるものが、いくつあるか数えて下さい。


           ・気力がない
        ・疲れやすい
        ・食後に眠くなる
        ・風邪をひきやすい
        ・胃もたれしやすい
 



●この結果はどのように判断すればよいですか?

該当するものが多ければ、エネルギーが体全体で不足しています。
疲れやすく、休養が必要です。


●チェック項目が多かった人は、
普段の暮らしでどのようなことに気をつければよいですか?


・食事について
(旬の食材をとる、夕食は就寝の3時間前までに済ませる、腹8分にする)

・こうして補った気を巡らせるには運動がお勧めです。





'08.10.12 放送 「冷え性について」



●冷えを訴える患者さんは多いのでしょうか?

患者さん全体のおよそ7割を占めます。
むくみやすい、肩こりがひどいといった不調の原因を探っていくと、
「冷え」が原因であることが多いです。


●この「冷え」も漢方では治療ができるのですか?


 「わざわざ病院にいくまでもない」と思っても、
実は体調が今一つ、という状態を、東洋医学では、「未病」と言います。
「健康ではないけれども、病気未満」という状態のことです。
東洋医学では未病の段階も治療対象としますので
病気になる前に手当することが可能になります。


●冷え症の原因は何ですか?

東洋医学では例えば3つのタイプに別けることができます。

@血行の流れが悪くて、手先や足先まで熱が行き渡らないタイプ。
A胃腸が弱っていることで水分処理がうまくできず胃腸が冷えているタイプ。
Bカラダ全体の機能が低下して新陳代謝が悪くなっているタイプ。


●血行が悪くて冷える人はどのような対策をとればいいですか?

指先をもんだり、手首や足首を回すなど、末端の血行をよくすること。
首を温めるとそれだけで血行がよくなるので、
ハイネックの洋服をきたり、マフラーもお勧めです。


●「胃腸が弱って冷えている人」はどんな対策をとればよいですか?

胃腸を冷やさないように心がけることがポイントです。
冷えた飲み物をガブガブと飲んで一気に胃腸を冷やさないようにして下さい。



●新陳代謝が低下して冷えている人は?

バスタイムは、湯船につかってカラダ全体を温めて下さい。

また、筋肉をつけることです。
筋肉量が増えると、カラダの中からエネルギーを生み出す力がつきます。



'08.10.19放送 「便秘について」


●便秘はなぜ女性に多いのですか?


・女性は筋肉量が少なく内臓下垂をおこしやすく、
  内臓を支えきれず腸の機能が悪くなることがあります。
  また、女性特有のホルモン(プロゲステロン)が
 腸の働きを抑えてしまうこともあります。


●便秘の患者さんも多いのですか?

・年々、便秘の患者さんは増えてきています。


●なぜ便秘の方が増えてきているのでしょうか?

・現代人は、お肉を食べる習慣や不規則な生活、ストレスなどで、
 腸の中では、善玉菌が減って悪玉菌が増えるという
 腸の中の老化が進んでいると言われています。
 例えば、実際の年齢が30代でも、
 腸年齢は倍の60代とほぼ同じという
「腸老人」が増えています。


●体に悪影響はないのでしょうか?

・便秘によって、胃もたれ、食欲不振、むくみ、めまい、肩こり
 といった、不快な症状をもたらすとともに、
 肌荒れやニキビの原因ともなります。
   

●漢方では便秘をどのように捉えるのですか?

・漢方の「気・血・水」という考え方を取り入れて、
3つのタイプに便秘を分けてみました。
 
☆「気の巡りが悪いタイプ」
・・・便秘とともに、おながか張って、食欲がなく、
   頭が重い感じがする人。


☆「血の巡りの悪いタイプ」
・・・エネルギーがうまくカラダの中に巡っていないことで
   便秘になる人。
   肩こりや生理痛がひどく、冷え症を伴うことが多いです。


☆「水の巡りが悪いタイプ」
・・・便秘と共に、むくみやめまい、
   のどが乾きやすいといった特徴のある人。


●どのような対策をとればよいですか?

☆「気の巡りの悪いタイプ」の便秘
・・・ストレスが原因のことが多いので、
   まずストレスを解消することが大切です。


☆「血の巡りの悪いタイプ」の便秘
・・・血行をよくすることを心がけて下さい。
   漢方薬にも使う「紅花」が効果的なので、
   料理で紅花油を使ったり、
   紅花のお茶を飲むようにして、日常に取り入れてみて下さい。


☆「水の巡りの悪いタイプ」の便秘
・・・カラダの中にある余分な水分を
   カラダの外に出すことがポイントです。
   利尿促進作用のある豆類や、
   腸内にある要らないものを体外に排出する
   食物繊維などをとるようにするといいでしょう。


'08.10.26放送 「プレ更年期」


●「プレ更年期」とは?


・「プレ更年期」というのは、医学用語ではないので、
  私は、更年期に入る前の30歳代後半から40歳代半ばまでと
  定義しています。更年期への助走期間として、
  徐々にカラダの不調が気になり出す時期と言えるでしょう。
    

● 正に「アラフォー世代」ですが、
  この時期に更年期のような症状を訴える方は多いのですか?


・冷えやのぼせ、ほてり、不眠、うつやイライラなど、
 更年期のような”症状を訴える患者さんが増えています・・・。


●原因は何ですか?

・ライフスタイルの乱れや、強いストレスなどが考えられます。
 こうした更年期的症状を訴える女性の多くは、
 女性ホルモン値の低下が見られませんが
 この段階できちんと対処しておかないと、
 さらに悪化して本当にホルモン値が異常になってしまう、
 つまりカラダが更年期と同じ状態にまで
 老化してしまう危険性もあります。


●木村先生がこの更年期的症状の強さをチェックするリストを
作っていらっしゃるので、ご紹介します。
該当するものがいくつあるか数えて下さい。


・上半身に汗をかきやすい
・腰や手足が冷えやすい
・生理の出血量が減ってきた
・気分が落ち込むことが多い
・ちょっとしたことで涙もろい


 該当する項目が多いほど、
 更年期的症状の度合いが高いと考えられます。


●どのような対策をとればよいですか?

・プレ更年期で不調を訴える人の特徴としては、
 東洋医学で考える「気・血・水」の中の
 「気」(エネルギー)や、
 「血」(血液の巡り)が悪くなっている状態、といえますので、
 まずこのエネルギーや血液の巡りの悪さを解消することです。


●エネルギー、気の巡りをよくするには
 どんなことに気をつければよいですか?


・「気」の巡りが悪いことの原因は、
  ストレスを受けている場合が多いです。
  日ごろから自分なりのストレス解消法で、
  まずはストレスが軽いうちに処理するようにしてみてください。


●では、「血液の巡り」をよくするにはどうすればよいですか?


・カラダを温める食材、ショウガやカボチャなどをとり、
 ストレッチや軽い運動をして筋肉を動かすようにします。


●女性は皆、若いころから気をつけた方が良いということですね。

・プレ更年期の段階で、いかに適切なケアをしたか、が、
 その後の更年期の過ご方や、
 老化の速度を遅らせるためのカギとなります。
 皆さんが、いつまでも若々しく健康でいられるための、
 ポジティブ・エイジングのケアは、
 どの年代の方にも必要なことばかりです。
 この放送をお聞きになって、
 興味をもっていただけましたら幸いです。



Cheer for Ladies

Asuka Suita official web site

スラリとした長身美人の木村先生!
颯爽と登場されて・・・、
とても聡明な美しい先生です。

木村容子先生の著書

漢方の知恵でポジティブ・エイジング」
「漢方で健康美人になる20の方法」

木村容子先生(左側)と共に、
ラジオの本番を終えてパチリ!
無事に仕事を終えて、安堵の笑み!

Sunday Morning Clinic   
〜このコーナーは、女性ドクターに伺う女性の為の医学講座です〜