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               「アーロマルという子供とアーロマルという戦士」


流しの唄に興味を持った一同の兵隊は、唄にあった国の出来事についてその詩人と話し始めた。
そして、その男はコーナールに対して、あるチェーコンの事を含んだ、唄を歌い始めた。
トゥルプラム コータッパン大臣にも仕えたことがあり、カルッテーナル国にも仕えたことのある、
プットゥーラム家のチェーコン親子の話である。まず、父について歌い始めた。

    その片手には刻まれている あの男には 十二の試合と 七つの死闘の 勝利の栄光が。

続いて、息子について歌った。

     オウムのくちばしとサンゴのギザギザは 鏡のように 美しいがトゲもある
     美しく 器用な人  トゥールー国で 戦い 修め 教えていた 
     初めての 決闘にこれから行くだろう 二十二歳になる 
     プットゥーラム家の息子 アーロマル チェーカヴァル!

これを聞いて、コーナールと家来は深いため息をついた。
彼らの心に勝てるかもしれないという期待が浮かんできた。
再び詩人は彼らを見つめていった。
 「息子のアーロマルと契約すれば、勝つことが出来るでしょう。
  しかし、父親を説得するすることは骨が折れそうです。」
聞き終わったコーナール軍は興奮を覚えて、いくらの報酬に替えてもこの戦士の同意を得る決意をし、
一団はプットゥーラム家に向かった。

父のチェーカヴァル(決闘士)が玄関に出てきた。大切な息子の初戦には余りにも危険な相手に、
父の心は息子を送りたくない気持ちでこう言った。
 「私の歯が抜けても、髪が白くなろうとも、連れて行ってもらいたくありません。
 私は過去に七回決闘にでて勝っている男です。
 どうでしょう、私があなた方のために戦うということは?」
これを聞いたナーヤル(騎士)達は不快な気持ちになった。
 「アーロマルというチェーカヴァル(決闘士)はいないのか?」
 「家にいるのはアーロマルという子供だけです。」 と父は答えた。
コーナール軍は何とか父の心を変えるために、いろいろ試みた、
しかし父の心は準備が出来ていなかった。

そこに、父と兵隊たちとの議論を全て家の中から聞いていたアーロマルは、
武装をして、旅の支度をして、彼らの前に現れた。
その美青年を目にして、口論を終えた。
「戦いを引き受けるのがチェーコンの役目です。父上。
このアーロマルが決闘場に立つことをお許しください。」
アーロマルは父に懇願した。

カラリパヤットの戦法を全て伝えた、自分の前に立つ男らしい息子を見、
父は涙を浮かべ、ただ呆然と立っている。

コーナールはまだ磨き抜かれていないが、本当のアーロマルの実力を理解した。
そして、自分の正義を彼に託した。 アーロマルは注意深くコーナールの言うことを聞いていた。
そうして、決闘士の契約は結ばれた。

息子の契約が決まってから、父の心は不安でいっぱいだった。
「石像を見ては神に祈っている。一日に何度もお寺にお参りに行く。
息子の勝利のためというよりは、息子を戦いに行かせない為の祈りなのだ。
私はこの年になって食べることには困らないのだ。
今まで命を投げて戦ってきた、この父に幸せの時は来ないのか?
だめだ息子よ。お前の契約金はいらない。
頼らずともこの父は家族を養っていけるのだ。」

母も
「息子よ。今まで育てた私達をだますのですか?
あなたを売ったお金など私達は要らないのです。
困ったことがあれば、母は市場で綿糸を売って生計を立てます。」

両親のこの言葉を背にして、アーロマルは弟のカンナンを呼んで、
全て心を打ち明けて、弟に契約金を渡し、家督を継ぐように同意させた。
そして、チェーコン士族の歴史、プットゥーラム家の名声を説得した。

      日の光も 滝のきらめきも 金も 乗りかごも
      全て主君様から与えられているのだ
      プットゥーラム家は 己の役割を 果たすのだ
      この腕輪と 土地と 名誉を
      手放すのか

このように、歴史を含んだ唄を歌い、戦いで自分が死ぬことは無いと弟に明るく話した。
そして、また唄を歌った。

      オーナム祭の 金の糸の晴れ着を
      領主様より頂きました。
      グースべリーの木も 領主様から借りた物
      借りたものは 返さなければなりません
      何を 悲しむのか 恥ずかしく思うのか
      私は 只 自分の欲望を 満たすだけ    
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