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(第11ページ) 

クンキは外を見ると、闘いのための装束、頭に布を巻き、カッチャと呼ばれるふんどしを巻き、
腰に短剣をぶち込み、左手に盾を携えてオテーナンは立っていた。

クンキは子供を抱えて泣き叫んで走りよった。
「だめです。尊い人よ!お願いです。行かないでください!」
「誇りと共に俺はすぐに帰ってくる。祈っていてくれ、クンキよ。俺にも温めた牛乳をおくれ。」
オテーナンは息子を抱いて言った。
「かわいい坊主よ。また風遊びをしたり、象に乗って遊んだり、いろいろしたいね。 お父ちゃんは早く帰ってくるからね。」
むせび泣きながらクンキが差し出した牛乳を飲んでからオテーナンは言った。
「クンキ、泣いてはいけないよ。夫の名誉を立てるのがお前の役割。それを立派に果たしたのだ。」
そしてオテーナンは約束の決戦場 ポニヤム アンガカラリに向けて走った。

カタッタナードゥ軍が鬨の声を上げて、ポニヤム決闘場に待つカティルール軍団と、
もはや衝突寸前のときであった。
コーマッパンは気付いた。
「おい、チャーッパ・・オテーナンが来た・・・。」

振り向くやいなや、チャーッパンは体でオテーナンが走ってくるところをさえぎった。
オテーナンは無言で、一っとびにかわして、決闘場に躍り上がった。

儀式を済ませて、浜辺に設えられた決闘場の上、オテーナンはついに最強の宿敵、カティルール グリッカルと相対した。

非常に強力な蹴り技と急所突きの名手と名高いこの男との闘いは、
一説には三時間とも八時間にもなったといわれ、お互いの体力、精神力を最早はるかに超えた闘いとなった。

そして、ついにカタッタナードゥの英雄は最後にカティルールの英雄の首を撥ね上げた。

オテーナンは運命に打ち克った!!


                   「予期せず訪れた死」

勝利の喜びに沸くカタッタナードゥの軍勢が引き上げる最中、
オテーナンは決闘場に置き忘れた、短剣を取りに一人引き返しに行こうとした。
全員で押し止めたが、チャーッパンをつれて壇上に上ったその時である。

「ドゥッ・・・」という音がしたかと思うとオテーナンの眉間には風穴が開いていた。
煙が上がる銃口。 オテーナンを撃ったのはチュンダンガーポインというカティルール グリッカルの弟子の仕業だった。
目撃していたオテーナンの味方のプッラヴァン(山岳部族)の男がすぐさまこの男を弓矢で仕留めた。

プッラヴァンの男はオテーナンと介抱するチャーッパンに駆け寄って泣きながら訴えた。

「愚かな私には何ができるでしょう。ご主人様・・・。」
オテーナンは答えた「何も気にするな。まず兄者に知らせてくれ・・・。」
男はすぐにコーマッパンのところに飛んで行った。
チャーッパンは何もすることが出来ずにただ体をさすってやるばかりであった。
オテーナンは話し続けた。

「どうした・・チャーッパ・・・・。」
チャーッパンは涙が溢れてしまった。
「泣くな・・。見てくれ・・・。腰の薬籠と紐が無い・・・俺の失敗だった・・・テーイに裏切られた・・・・。」

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