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(第6ページ)
母の深い悲しみを知って、クンキは本心を打ち明けました。
「お母様。悲しまないでください。私の花嫁衣裳はタッチョーリ オテーナンさん以外の他の誰にも与えるつもりは無いのです。」(花嫁から花婿家に贈り物を出す習慣。)
このことを知って母は強い衝撃を受けました。よりによってあの憎たらしい、嫌われ者の悪童だったとは。
母はどうしても娘をオテーナンに渡したくはありませんでした。
しかし、しょうがなく 翌日オテーナンの兄のコーマッパンに相談をしに行きました。
当時はそれぞれの家長どうしの取り決めで結婚が成立する習慣でした。
その時オテーナンは家にはいませんでした。コーマッパンは言いました。
「今 弟はここにはいませんし、あいつは自由な男ですから。あいつの心は私には分かりません、
私には何も決められません。 今日のところはお引取りください。 さようなら。」
とあっさり話を打ち切ってしまった。気位の高い母は侮辱されたと思いましたが、オテーナンに娘を渡したくないので、うれしくも思い、次に会う日を約束してから母は帰りました。
そして、オテーナンがいる時に母はまたやって来てこう言いました。
「私の娘はカラスのように色が黒く、背中が曲がっていて、一日中テントの中にこもっていて、自分でご飯も満足に食べられないかわいそうな子です。名戦士のオテーナンさんがお世話するとなると大変でしょう。」
オテーナンはクンキを見たことが無かったので、周りの男達に相談したりしましたが、
多くはクンキの求婚者だったので、クンキの母やライバルの求婚者の話を信じてしまいました。
そしてそれから数ヶ月がたちオテーナンはある日お寺に参拝に行った帰り、
木の枝で歯を磨きながら、川の岸に腰をかけていると女たちの水浴びが見えました。
それを眺めていると、女中を従えたとてもきれいな女が一人います。
オテーナンは待ち伏せして、その女中に声をかけました。
「あの女性は誰ですか?」「チャットータ家のクンキ様です。」
オテーナンは驚いて、自分がオテーナンだということを告げると、
道端の露店で洗髪剤とボディーオイルを買って、彼女にプレゼントしてくれるように頼みました。
女中はクンキにそのことを告げると、クンキは
「どこのオテーナンさんですか?」などととぼけました。
女中は指を差して言いました。「タッチョーリ オテーナン」
その先には立派な風采の男が立っています。
クンキは「私は私の持ってきたシャンプーをつかいますし、知らない男の人からもらうつもりはありません。」
などと言って、贈り物を断りました。
オテーナンは失敗したと思い、恥ずかしくなってすごすごと家に帰りました。
それから一週間ほど経った満月の明るい ヤシの葉のたなびく涼しい夜。
チャットータ家に体中あざだらけになって、ぼろぼろの服を着てチャーッパンがやってきました。
クンキの母はこれを見て「何事ですか?チャーッパ!こんな時間に。」
チャーッパン「お母さん!夜も昼も無いですよ。マーニコート家はほんとにひどいんですよ。」
母「何かあの家に不満でもあるのかね。
一月に一千個のヤシの実の扶持をいただいているというではないか。」
チャーッパン「もう人使いが荒くって。僕はもう毎日ぼろぼろになるまで働かされていじめられてるんですよ。 もう今度家出をしますから、この家に男手の仕事があった雇ってくださいよ。」
そのようなやり取りをして、チャーッパンは一週間後に今度は家で働かされている
盲目の男も連れてくるといって、去っていきました。
一週間後チャーッパンはタッチョーリ ポーッタン(盲目)と言う名前の
ヒゲむくじゃらの男も連れてやってきた。
手探りでいろいろ仕事を覚えようとするが、とても働き者だと聞いていたのに、玄米を杵でつこうとすると逆さにつこうとするし、こんどは井戸のつるべの縄に杵をからませて、井戸に落っこちて井戸の深さを測るなどと、余計な仕事をやっている。
家族は皆その様子を見て大爆笑でありました。
日も暮れて、夕食の時間にチャーッパンはクンキの母に言いました。
「ポーッタンはとても臆病者で、家の外では寝られないのですよ。ですからこいつは家のどこか片隅に寝かせてやってください。」(使用人は通常 屋外などに寝かせられる。)
余りの部屋など無かったので、母は困りましたが、結局土間のようなところに寝かせることにして、母とクンキはそれぞれの寝室に、チャーッパンは毛布を借りて、外に出ました。
そして夜が更け、クンキは部屋の燭台の灯を消そうとしたところ、目の前に男が立っていました。
クンキは「曲者め」とつぶやき。ベッドに隠していたナイフをつかみました。
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