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ひき逃げ米兵書類送検へ 事件直後、身柄で現場混乱

2010324  琉球新報
       
                                                                  

ひき逃げ事件の車両放置現場。憲兵隊と県警の警察官が現場に現れた3等兵曹を確認した                      =17日午前3時5分ごろ、金武町

 名護市で発生した米軍車両ひき逃げ事件から23日で1週間が経過した。県警は容疑者の米海軍3等兵曹への任意の事情聴取を実施しており、道路交通法違反容疑(酒気帯び運転、ひき逃げ)で立件する方針だが、事件直後に容疑者を目前にしながら米軍憲兵隊に事情聴取を事実上拒まれ、容疑者は米軍施設内に連行された。1972年の本土復帰と同時に、民間地で米軍人容疑者を発見した場合、主権国家として逮捕できる権限を得た県警だが、いまだ現場では身柄の取り扱いをめぐり混乱しているのが実情だ。

過去に関係悪化も
 米軍関係者の身柄の取り扱いについては、2008年にも北谷町でトラブルが発生している。
 08年4月、万引で民間人に現行犯逮捕された米軍基地内の少年2人の身柄を憲兵隊が一方的に連れ帰ったとして、県警が米軍側に質問書を提出した。しかし米軍側は「身柄引き渡しや警察署への連行は求められなかった」と主張し、双方の関係が一時悪化した。
 県警によると08年の米軍人絡みの刑法犯の摘発件数は70件。復帰時と比べると3分の1以下に減ったが、今回のような交通関係のトラブルを含めると、現場の警察官が事件・事故の現場で憲兵隊と共同で対応する機会は多い。
 琉球警察時代から米軍人絡みの犯罪捜査に携わってきたある県警OBは「復帰と同時にフェンスの外なら米軍人容疑者を逮捕できる『主権』がようやく認められた。だが実際の現場では先に憲兵隊が身柄を押さえたら、手出しできないのが実情だ」と振り返る。

「日本警察が上」
 在沖米海軍は事件翌日の17日、容疑者の3等兵曹を「逮捕する・検挙する」という意味の(arrest・アレスト)と発表。「逮捕した」という仮訳まで付けた。しかし、地位協定では原則的に憲兵隊が民間地で警察権を行使することはできない。例外として日米双方の当局による「共同逮捕」が認められているが、その場合、容疑者の身柄を最寄りの警察署に移動させることになっている。今回の事件では、憲兵隊が容疑者の身柄を基地内に連れ帰り、18日に「逮捕ではなく拘束だった」と訂正した。
 日米地位協定に詳しい法政大学名誉教授の本間浩氏は「アレストが逮捕ではなかったという釈明は苦しい」との見方を示し「日本側当局に共同逮捕を認める権限があり、日本の警察の方が立場は上だ。事件の重大性次第では、憲兵隊の警察権力の行使を留保できる」と指摘した。(松堂秀樹)

 






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