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和坊放浪記・第13章:口永良部島編part9

平成17(2005)年・備忘録


 項目

■寝待・湯治小屋
 63日目:11月19日(土) 晴     (しし座流星群)
 星空:冬の星座・しし座流星群・おうし座流星群
 八段錦型:第一段錦〜第八段錦
 64日目:11月20日(日) 雨のち晴  (ヨダレカケ?)
 65日目:11月21日(月) 晴     (2つの瀬・陸路進入路開通)
 66日目:11月22日(火) 晴     (久しぶりの卵と唐芋掘り)
 67日目:11月23日(水) 晴     (ボウフウの天ぷらは絶品)
 68日目:11月24日(木) 曇     (ボウフウ収穫と鹿罠の仕掛け)
 69日目:11月25日(金) 曇     (湯治客到着)
 70日目:11月26日(土) ?     (食中毒)   禁酒
 71日目:11月27日(日) ?     (安静日)   禁酒
 72日目:11月28日(月) ?     (回復・散歩) 禁酒
※本文中赤字は写真あり
(写真付き)
八段錦、ヨダレカケ、ボウフウ・長命草
写真
寝待温泉入口(台風被害)、くくり罠(ワイヤー)、背負い籠

________________________________________



■寝待・湯治小屋



63日目:11月19日(土) 晴  (しし座流星群)


【トレーニング】ストレッチ、八段錦
【お勤め】般若心経3返(朝・昼・夕)、写経1巻(朝)、座禅瞑想20分×3回(朝・昼・夕)


星空
冬の星座
冬の星座

しし座流星群
しし座流星群
レグルスとアルギエバからμ(ラス・エラセド・ボレアリス)及びε(ラス・エラセド・アウストラリス)にかけては、特徴的な?形を裏返した星の並びが、しし(ライオン)の頭の部分に当たり、ししの大鎌と呼ばれる。ちょうどこのししの大鎌の中に放射点(×印)がある。

おうし座流星群
おうし座流星群
おうし座流星群には南群と北群の2つの放射点(×印)がある。

【メモ】
多くの流星を見るコツ:放射点の方角にこだわらず、空全体を見渡すこと。
流星の正体:宇宙空間にただよっている0.1ミリから数センチのチリ(流星ダスト)が、地球の大気に突っ込んできたときに発光する現象で流れ星とも呼ばれている。

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 昨夜、温泉清掃を終え、満天の星空に流れ星を見つけ、明日15日は、しし座流星群の極大日と確認してから就寝し、3時に起床。

 幸い今朝は快晴に恵まれたものの、16日に満月になっており、その月明かりで観察条件としては良好とは言い難いが、月と火星と流れ星の星空を見上げていると、人類は太古の昔から、同じ星空を見上げ何を考えていたのかと思いを巡らすと、何かしらロマンを感じる。

 流れ星は、8月13日に屋久島で、ベルセウス座流星群を観察。その際、流星31、人口衛星1、ピカピカ光る物体1(宇宙ステーションか?)を観測して以来。

 しし座流星群は、毎年11月中旬頃に出現するが、33年毎に最も太陽に近づいた時が大出現に当たり、前回の大出現は2001年で、18日から19日の未明にかけて、1時間あたり数百から数千もの流星雨を観察する事が出来たらしい。

 しかし、今年は次の活動期を迎える迄の静穏期に入るのと、満月といった気象条件から、余り期待されていないと云うが、月と火星と流れ星を同時に見られる機会でもあるので、床几を出してその上に寝転がり観察を開始する。

 3時から5時までの2時間で、16個の流星を観察できたが、中には火の玉のような流星もみられたので、大満足して温泉に入る。

 なお、今回の観察は、西の空に地球接近中の赤い火星が明るく輝いているおひつじ座の東にある、おうし座から出現している流星群も含まれているが区別は不能で、個人的には火の玉のような流れ星がおうし座流星群ではなかったかと思っている。

 朝食後、日課になっているストレッチ・八段錦(はちだんきん 注1)をしてから、般若心経を唱え、写経と、座禅瞑想をする(お勤めと称することにする)。

 昨日に続き、2つの瀬(寝待先端から垂直の崖を超えて行く釣り場兼貝採取場)の陸路入口から道づくりをするものの、竹林の中をさまよい歩く結果となり、引き揚げる。

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八段錦型:第一段錦〜第八段錦

【第一段錦】
第一段錦1 第一段錦2 第一段錦3 第一段錦4 第一段錦5
1
2
3
4
5

@基本姿勢から、両手の手の平を上にして、へその前で軽く組み、
A息を吸いながら、組んだ手を顔の前迄上げて行き、手の平を下に向け、
B息を吐きながら、手の平を下にした状態のまま下におろし
C息を吸いながら、組んでいる手を上げて行き、顔の前で手の平を外側に返し、頭上まで上げて行き
D組んだ手をほどき、息を吐きながら左右に大きな円を描くように手を下ろし基本姿勢に戻る。(
または、基本姿勢に戻りながら、第二段錦の姿勢に入る)
※手の上下の際は、水に浮かんだボールを沈めたり、持ち上げたりする感じで行う。

【第二段錦】
第二段錦1 第二段錦2 第二段錦3 第二段錦4 第二段錦5
1
2
3
4
5

@足を肩幅の2倍程に開き、膝を曲げて腰を落とし、手は自然に前に下ろし両手を軽く握り、
A息を吸いながら両手を胸の前まで持ち上げながら、胸の前で、左手でVサインを作り、
B息を吐きながら、左手のVサインを左横に広げ、視線はVサインの向こうをうっすらと見、同時に右手は弓を引くように大きく右に引き、
C息を吸いながら、左手のVサインを閉じながら、両手を胸の前に戻し、
D息を吐きながら両手を下ろす。
同じ要領で右手のVサインで行い、終われば、D息を吐きながら両手を下ろすと同時に、基本姿勢に戻る。
※Vサインを作り弓を引くようにする際にも力まず、自然体で行う事。

【第三段錦】
第三段錦1 第三段錦2 第三段錦3 第三段錦4
1
2
3
4

@基本姿勢から、息を吸いながら、手の平を上に向け、顔の高さ迄、両手を上げ、
A息を吐きながら、手の平を下にして、両手をみぞおち迄下げ、
B息を吸いながら左手は上(天)に、右手はそのまま下(地)へ下げ(天地を分ける感じで)、
C息を吐きながら、右手はそのまま、左手をゆっくり横から円を描くように下ろし、基本姿勢に戻す。
次は、左右の手を代えて行う。

【第四段錦】
第四段錦1 第四段錦2 第四段錦3 第四段錦4
1
2
3
4

@基本姿勢から、息を吸いながら、手の平を上にして、両手を顔の前迄上げていき、
A息を吐きながら、顔の前で手の平を返し(下に向け)下ろす。同時に首をゆっくり左に向け、意識を丹田から右足の土踏まずに移動させ、
B息を吸いながら、手の平を上に向け、両手を顔の前迄上げると同時に、首を正面に向け、意識も丹田に戻し、
C息を吐きながら、両手を下げ、基本姿勢に戻る。
次は右側に首を向ける動作を行う。

【第五段錦】
第五段錦1 第五段錦2 第五段錦3 第五段錦4 第五段錦5 第五段錦6
1
2
3
4
5
6

@基本姿勢から、息を吸いながら、足を肩幅の2倍程に開き、膝を曲げて腰を落とし、手は太腿に置き、正面を向き、
A息を吐きながら、肩から右を向き、上体を右前に倒し、
B腰を軸にして上半身を右から左にゆっくりと回転させ、
C頭が左膝の上迄きたら、
D息を吸いながら、顔だけゆっくりと右に回して右足先に目線を向け、
E息を吐きながら、顔を左に回し、目線を左膝の上に戻し、息を吸いながら基本姿勢に戻る。
次は、同じように左右を逆にして行う。

【第六段錦】
第六段錦1 第六段錦2 第六段錦3 第六段錦4 第六段錦5 第六段錦6 第六段錦7 第六段錦8
1
2
3
4
5
6
7
8

@基本姿勢から、息を吸いながら、手のひらを下にして肩まで上げ、
A息を吐きながら下ろし、手首を反る様に曲げ、下ろした手を少し後ろに引き、
B息を吸いながら、両腕を前方から頭上まで上げ、
C両手を上げたまま、息を吐きながら、腰を中心に上半身を右へ傾け、
D半円を描く様に、上体を前に倒しながら、右から左に大きく回転
E上半身が左にきたら、息を吸いながら、後ろに倒しながら左から右に回転、その間目は両手の指先を見て3回転する。反対側も同じ様にし
F最後の回転時に、両手を頭上高く押し上げ、
G息を吐きながら前屈し、下ろした両手で足首を外側から掴み、息を吸いながら、状態を起こし、基本姿勢に戻る。(または、基本姿勢に戻りながら、第七段錦の姿勢に入る)

【第七段錦】
第七段錦1 第七段錦2 第七段錦3 第七段錦4 第七段錦5 第七段錦6
1
2
3
4
5
6

@息を吐きながら、足を肩幅の2倍程に開き、膝を曲げて腰を落とし、手は自然に前に下ろし両手の拳を握り、
A息を吸いながら、拳の甲を上にして、胸の高さまで上げ、
B息を吐きながら左拳を強く握り左前方に突き出し、同時に右拳も強く握って右に引き(弓を引く形)、目は左の拳を追いかっと見据え、(力強く、気力を増大させる)
C息を吸いながら、両拳を胸の前に戻し(目は左拳を追う)、正面を向き、同時に、息を短くハッと吐きだすと同時に力を抜くき、
D息を吸いながら、両拳を頭上に上げ、拳を広げ、
E息を吐きながら、体の横に大きな円を描くように両手を下ろし、最初の姿勢に戻る。
次は同じように左右を逆にして行い、最後に基本姿勢に戻る。
※Bでは、気力を充実させる必要があるが、力みすぎることのないよう注意する事。

【第八段錦】
第八段錦1 第八段錦2 第八段錦3 第八段錦4
1
2
3
4

@基本姿勢から両足を狭め(両足の間に拳一つ程入れる広さ)、
A息を吸いながら、手の平を下に向け、両手を肩の高さ迄上げ、
B吐きながら、両手を下ろし、元の姿勢に戻り、息を吸いながら、肛門を引き締め、両足の踵を上げ、しばらく間を取り、
C肛門から力を抜き、息を吐きながら、踵をストンと落とし、しゃがみ込んで膝を抱え、自然呼吸で、踵をつけたまま、前後に軽く揺すり、元の姿勢に戻る。
この動作を2〜3回繰り返す。

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64日目:11月20日(日) 雨のち晴  (ヨダレカケ?)


【トレーニング】ストレッチ、八段錦
【お勤め】般若心経3返(朝・昼・夕)、写経1巻(朝)、座禅瞑想20分×3回(朝・昼・夕)

 4時に起床時に降っていた雨は、明け方には止んだ。

 今日は、公民館長の林さんが、広島大学の学生達を引き連れ、寝待温泉の後片付けにやってきた。

 寝待温泉は、2ヶ月半前の、9月5〜6日にかけて屋久島地方を通過した台風14号で裏山の崖が崩壊、その土石が温泉に流れ込み、温泉内は清掃をして入浴可能な状態に回復したが、出入口は、ドアーが破損、大小の岩が押し入った状態のまま放置され、入口は使用不能で、温泉入浴は、脱衣場側のドアーから出入りをしていた。

 その状態を回復する為の作業を広島大学の学生達に依頼したらしい。

 広島大学の学生達は、生物生産学部水産資源学研究室(具島健二教授)の大学院生で、口永良部島前田集落内に民家を借り上げ、共同で自炊生活をし、様々な魚の研究を30年以上にわたって行ってきており、日頃は西の湯に隣接する美浦海岸で、日々の魚達の行動を観察しているが、その研究の1つにヨダレカケ(注2)があるらしい。

 赤ちゃんのヨダレカケではありません。寝待に来た当初、海岸の岩場でぴょんぴょんと飛び跳ねているので、トビハゼかとも思ったが、そうではなく、海中での暮らしを捨て、陸上で岩の上に張り付いて暮らすという珍しい魚で、3年程前に、NHKの大自然スペシャル・生きもの地球紀行取材陣が3か月間島に滞在、その間、レポーターで俳優の柳生博も寝待にやって来たらしい。

 そんな話を聞いているうちにも、学生達は、温泉入口の岩を除去し、大量のゴミを浜辺で焼却し、昼過ぎには片付き綺麗になった。

 学生達が引き揚げてから、浜辺を散策し、打ち上げられている大量のゴミの中からロープの束を見つけ、絡まっているロープを根気よく解いて、50m程のロープ2本の内の1本で、鹿のくくり罠を10セット作る。

 と云うのは、沖永良部島の山野を歩きまわって気が付いたことの1つに、ロープやワイヤーで輪を作った物が、あちこちに散見。これが、鹿を捕獲する罠である事が分った。

 この罠は、人間が傷つく事はあり得ない単純な構造であったので、くくり罠を作り、鹿の通り道に仕掛けることにしたものである。

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65日目:11月21日(月) 晴  (2つの瀬・陸路進入路開通)


【トレーニング】ストレッチ、八段錦、チューブトレーニング
【お勤め】般若心経2返(朝・夕)、写経1巻(朝)、座禅瞑想20分×2回(朝・夕)

 今日は、2つの瀬(寝待先端から垂直の崖を超えて行く釣り場兼貝採取場)の旧寝待道路側からの進入路が判然としないので、海側から探索することにする。

 寝待温泉奥の岩場を通り、垂直の崖を2ヶ所乗り越え、2つの瀬に着く。瀬から山側を見渡すと何か所かそれらしいところがあるが、其々急斜面で突き当たる。

 最後に、1番西側の崖の上に登ると、クマザサが茂りその奥に竹藪が続き、1本の細い水路らしい跡を辿ると、視界の広がる竹林に出て、前回旧寝待道路側から入った際、目印に着けていた赤い印(太いロープの撚りを戻して、50cm程にカットしたもの)を発見し、無事陸路進入路が開通した。

 これで、危険な崖越えをせずに、2つの瀬に行くことが出来るので一安心。

 残るは、湯向集落側にある平板(ひらばん)への進入路作りを残すのみとなった。

 夕方、寝待集落の住人で、肉牛の飼育をしながら、温泉の清掃を請け負っている前原さんが来て、奥さんが腰痛の為、明日、牛の餌にする唐芋刈を手伝ってほしいとの依頼があったので了解する。

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66日目:11月22日(火) 晴  (久しぶりの卵と唐芋掘り)


【トレーニング】ストレッチ、八段錦
【お勤め】般若心経2返(朝・夕)、写経1巻(朝)、座禅・瞑想20分×2回(朝・夕)

 午前中、本村のAコープにインスタントコーヒーを買いに行くと、何と、卵があるではないか、卵様の顔を見るのは久し振り、こんな口永良部島が好き。

 10個入りのパックを2個買って帰るが、余りの嬉しさに、肝心のインスタントコーヒーを買い忘れた。

 帰り路、田代集落に在る前原さんの牧場に寄り、唐芋(サツマイモ)掘りを手伝う。唐芋とはサツマイモの事で、牛の餌にするらしい。

 生まれて初めての芋掘り。そんなに広くない畑ではあるが、初めての作業に腰が痛くなった。終わってから、前原さんの奥さん手作りの弁当とビールを御馳走になる。

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67日目:11月23日(水) 晴  (ボウフウの天ぷらは絶品)


【トレーニング】ストレッチ、八段錦、チューブトレーニング
【お勤め】般若心経2返(朝・夕)、写経1巻(朝)、座禅瞑想20分×2回(朝・夕)

 今朝は、3時前に目覚め、早すぎるので、寝床で本を読んでから4時に起床。

 朝の日課を終え、温泉に入浴し、朝食を摂ってから、寝待集落の住民・森杉のバッチャンから、自宅の窓拭きを頼まれたので、午前中ガラス拭き作業をする。

 森杉のバッチャンの子供達は大阪で、ご主人は本村に居住しており、バッチャン自身は足が悪い為大掃除は出来ないので、年末を迎えてのガラス拭き。

 寝待集落の大方の家はバラック造りで、玄関は板製であるが、森杉のバッチャン宅は、玄関をはじめベランダや小窓にはアルミサッシが入っている都会風(?)家。

 窓拭きが終わると、バッチャンから、缶ビール2本と焼き豚、インスタントコーヒーを頂く。

 昼から、森杉と矢野のバッチャンから、寝待集落の海岸沿いに自生するボウフウ(注3)と云う野草を教えてもらい、その新芽を摘んで天ぷらにしてもらい食する。美味い。旅に出て初めて出会った最高の美味さ・・・絶品。

 明日からは、野菜不足をボウフウで補うぞー・・・

 夕食は、ボウフウの天ぷらと、バッチャンから頂いた焼き豚を酒の肴にして、ビール2本と焼酎
・三岳を3杯も飲んでしまった。

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68日目:11月24日(木) 曇  (ボウフウ収穫と鹿罠の仕掛け)


【トレーニング】ストレッチ、八段錦
【お勤め】般若心経2返(朝・夕)、写経1巻(朝)、座禅瞑想20分×2回(朝・夕)

 与那国島では、切り立った崖に自生している長命草(ボウフウ)を確認したものの、食する事はなかったが、寝待のボウフウ(長命草)は、駐車場から温泉にかけての足場の良い海岸沿いに幅広く自生しており、その新芽の天ぷらは絶品だったので、今日は寝待以外のボウフウの自生地を探索する。

 寝待集落の住人で、口永良部島の長老でもある2人のバッチャンからの情報では、寝待以外では湯向の海岸に自生しているとの事。

 背負い籠に昼食用のおにぎりと鹿を捕獲する為のくくり罠を10セット入れ、9時に出発し、寝待集落のコンクリート製貯水塔から、旧寝待道に入り、鹿の通り道らしい場所に、くくり罠を仕掛けながら湯向集落に向かう。

 湯向集落のボウフウ(長命草)自生地は、波止場に出る手前の待避壕付近に集中しており、両手一杯程の新芽を集めて13時過ぎに寝待に帰る。

 収穫したボウフウ(長命草)は、バッチャンに渡し、午後から、温泉の道と、神様付近の草刈りをし、バッチャンに昨日同様ボウフウ(長命草)の天ぷらを作ってもらい食する。

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69日目:11月25日(金) 曇  (湯治客到着)


【トレーニング】ストレッチ、八段錦、チューブトレーニング
【お勤め】般若心経9返(朝・昼・夕各3返)、写経3巻(朝・昼・夕各1巻)、座禅瞑想20分×6回(朝・昼・夕各2回)

 今朝も2時に起床。最近起床時間が早くなってきた。

 5時前後に就寝するので当然の結果か。

 朝から温泉に入っており、これで、朝から酒を飲めば、会津民謡「会津磐梯山」に登場する小原庄助さんではないかと一瞬頭をよぎり、「小原庄助さん なんで身上つぶした 朝寝 朝酒 朝湯が大好きで それで身上つぶした ああもっともだ もっともだ」と歌ってしまった。

 今日は、本村に買出しに行く予定をしていたが、中止をし、1日中お勤めに専念する。

 夕方、寝待湯治小屋・5号室に新しい湯治客が到着した。30歳前半の男性で、楠木さん。

 楠木さんは、若い頃より南西諸島が気に入り、各島で働きながら移動する生活を続けており、今回、沖縄県伊江島の葉タバコ農家からの連絡待ち期間を利用して、4〜5年前に訪れたことがある寝待湯治小屋に来たらしい。

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70日目:11月26日(土) 天気? (食中毒) 禁酒



 昨夜から腹の調子が悪くなり、下痢と嘔吐があり、久し振りに苦しい思いをした。原因は特定できないが、一昨日頂いた刺身を、火を通さなければと思いつつ、酒の肴にしてしまった為かと思いつつ、禁酒は当然、絶食と入浴も控え、1日中安静にして過ごす。

 こんな日に限って、差し入れが多い。5号室の楠木さんからは、釣りたての魚。バッチャン達からは、焼酎・缶ビールにタケノコ、天ぷら。火力発電所に勤務する一郎さんからは、刺身。

 好意で頂いた刺身が原因の食中毒とは、口が裂けても云えないので、有難く頂戴したが、食べ物は全て放棄することになった。ごめんなさい。

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71日目:11月27日(日) 天気?  (安静日) 禁酒



 体調は少し良くなってきたが、絶食を続け、温泉にも入らず、安静にする。

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72日目:11月28日(月) 天気?  (回復・散歩) 禁酒


【トレーニング】ストレッチ、八段錦
【お勤め】般若心経3返(朝・昼・夕)、写経1巻、座禅瞑想20分×3回(朝・昼・夕)

 腹の調子も良くなったので、お粥を食べ、3日振りに温泉にも入り、散歩に出掛け、トレーニングを再開し、お勤めもする。

 症状は回復したが、今一、体に力が入らない。


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注1:八段錦
中国で古くから伝わっている気功、健康法で、八つの型から成っており、呼吸に合わせて、ゆっくり、ゆっくり動かす動作は、年齢や体力に関係なく、また、どこでもすぐに取り組むことができる運動です。1段ごとの独立した運動であるが、慣れてくれば、流れるように連続して行うと良い。

【立禅】(最初と最後に行う)

立禅

@足は肩幅に開き、膝を軽く曲げる感じで立ち、両手は力を抜いて横におろし、リラックスする(基本姿勢)。
A宇宙を意識し、鼻から深く長い息を吸いながら、宇宙の気を、百会(ひゃくえ)を通じて体内に取り入れ、丹田(たんでん)へ持って行き。丹田で軽く息を止め、
B口から細く長い息を吐きながら、会陰(えいん)に落とし、両足を通り、足裏の涌泉(ゆうせん)から、地球の中に吐き切る。
C地球からのエネルギーを吸い取る感じで、鼻から深く長い息を吸いながら、涌泉、会陰を通じ丹田迄持って行き、丹田で軽く息を止め、
D丹田から、口から細く長い息を吐きながら、百会を通じて、宇宙に息を吐き切る。これを繰り返し、心を落ち着ける。
※八段錦の全ての動作は、鼻から深く長い息を吸い、口から細く長い息を吐く腹式呼吸(基本呼吸)に合わせたゆっくりとした動作を心掛ける事。

百会(ひゃくえ)
百会
左右の耳の穴を結んだ線と頭の真中を通る線との交点で、東洋医学では、天の気を受け入れるツボと云われている。

丹田(たんでん)
へそ下3寸(約9cm)付近、東洋医学では、関元穴(かんげんけつ)と云う。丹田は赤色、つまり火と関連づけられ、エネルギーの源の穴として、精神の要の場所とされている。
また、人間の体内、特に女性の胎内では、0,06gの精子と0,1〜0,2mm(0,0015〜0,003g)程の卵子が結合し、細胞分裂を繰り返し、何百万倍になって新生児が誕生するといった過程は、原子動物から人類までの何億年間もかかった進化の過程を僅か10ヶ月ほどで完成さす驚異的な能力を備える。
それはまさに、小さな宇宙そのものである。
丹田は、小宇宙の体内の中で太陽に相当する場所で、エネルギー(気)の貯蔵所であり、また、発信地でもある。

会陰(えいん)
陰部と肛門の間をさし、東洋医学では、会陰穴(えいんけつ)と云い、「気と血」のエネルギーの分枝する重要な場所である。

涌泉(ゆうせん)
涌泉(ゆうせん)
足の裏の土踏まずの前方中央部にある、人間が生きるためのエネルギーが泉のように湧き出るツボであることからこのような名前が付いたと云われる。


注2:ヨダレカケ
ヨダレカケ1

ヨダレカケ2
魚なのに岩の透き間で産卵し、雄が卵を守るという極めて珍しい生態をもつ魚で、岩に張り付く吸盤が口の下にあり、それが赤ちゃんの涎掛けに似ているので、このように命名された。ヨダレカケは波打ち際で藻を食べて暮らしており、潮の干満に合わせて、飛び跳ねて移動する特異な生態を有する。個人的感想であるが、海中での暮らしを捨て、陸上で暮らすという、ヨダレカケの生態を聞くと、人間の進化の歴史を垣間見る感がした。


注3:ボウフウ (ボタンボウフウ)別名・長命草(ちょーみーぐさ)
ボウフウ(長命草)1
  新芽・中央部1
ボウフウ(長命草)2
  新芽・中央部2

与那国島では、断崖に自生、激しい潮風と照りつける太陽などの非常に厳しい自然条件下で生育している野草で、「1株食べると1日長生きする」と云われ「長命草」の名で親しまれてきた。古くから滋養強壮食材として、また、殺菌・抗菌作用を持つことから刺身のつまとして利用されていたが、与那国町商工会が長命草を商標登録し、「長命草青汁」、「長命草茶」等を販売、町も「町興しの特産物」として位置付け、道路際に大きな宣伝看板が立てて、販売に力を入れている。
なお、与那国商工会が保有する商標「長命草」の使用権は、日本ランチェスター工業(株)(兵庫県三田市)が有し、同社が加工技術等を提供している。
個人的には、年中新芽を出し、冷蔵庫で長期間保存も出来るので、天ぷらの他、おひたし、炒め物の具材として重宝した。

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写真

寝待温泉入口
寝待温泉入口(台風被害)

くくり罠(ワイヤー)
  くくり罠(ワイヤー)

背負い籠
  背負い籠

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