【密鋳 踏潰銭】
37.踏潰銭 の類
36.下田管内刻印銭 の類 明治4年(1871年)伊豆国下田町会所にて製造


府永手
外周の変形ぶりが、上の画像によく似ている。背の波は細く鋳だされています。
こちらはインターネット落札品。
永字は府柱永に似ているが寶字は明和期の府永に似ている。寶前足が長く、バランスが悪く前に進む感じ。


小字写
雰囲気的には踏潰でしかありえない作風ですが、さらに野性味を感じさせる一枚です。とくに輪側面の仕上げの雑さは光ってます。
※これは良い感じながら決定打はありません。


俯柱永(俯寛)の鋳浚改造母銭
こちらは俯柱永の改造母銭。大型で銅色や制作の異なる踏潰銭についてやりとりをしているうちにS氏本人がこれが通常の品と異なることに気づかれたようです。これにも鋳ざらい痕があるそうです。
小点永(陰起文)鋳浚改造母銭
一見なんのへんてつもない、小点永のようですが、文字や輪に加刀痕があり、通用銭を改造した母銭であるようです。背波が極細になっています。
投稿画像 東北のS氏から 【踏潰のバラエティ】
踏潰の鋳写鉄銭(練馬雑銭の会:公開盆回し出品)
密鋳銅銭から生まれた密鋳鉄銭ということで、これは紛れもない珍品です。上の銅銭の場合は、たまたま制作が粗くなっただけのもの・・・と、いう可能性も捨て切れませんが、この書体の鉄銭は密鋳銭に間違いないものです。したがって出品価格もこちらの方が高くなっていました。同類の存在は日本に数品しかないようで、入手できれば自慢の逸品間違いなしなのですが、上の品を入手したために予算がなくなってしまいました。
書体は画像から判断すると狭永か俯柱永の可能性が高いようですがはっきりしません。本来は秘宝館入りすべきものですね。

【評価 少?】
俯柱永の再延展銭
練馬雑銭の会で紹介されていた踏潰の鋳写銭の原品です。見た目以上に大きく、直径は28.5o以上あります。前の持ち主は江刺銭であると分類したようですが、やはり踏潰の再延展写とした方が良いと思われます。かなりの薄肉銭で制作は劣りますが、銅質に本炉との違和感は少なく、分類判断にはまだ比較研究が必要だと思います。購入価格は私にはとてつもなく高かった・・・のですが、この評価があっているかどうかは今は分かりません。後悔?そんなものしてたらこの趣味はできませんよ。




参考)密鋳一文銭
郭抜けの加治木か天下手祥符のような風貌ですが、制作的には延展系でやすり目は踏潰のような感じ。あくまでも感じなのですけど・・・。
参考画像:踏潰様小字写延展
(練馬雑銭の会公開掲示版から)
踏潰銭の親戚・・・とのこと。私の言う踏潰系と同義で制作などに一部共通性は認められるものの小異の感じられるもの。画像からの予想になりますが延展技法は見られますが、やすり目があまりなく砥石仕上げ風の滑らか肌に見えます。

※以下のものについては、判断される方によっては踏潰銭ではないとされると思います。
いずれも制作方法や銅質、やすり目などに共通性があり、踏潰銭の鋳造技術の流れを汲む系統であると思われます。参考にして下さい。
踏潰?小字写延展銭
画像では浄法寺系のような赤みのある銅色ですが現品を目視すると安政期のような黒ずんだ黄褐色で、全く赤みが感じられません。延展は後天的なもので銭を叩いた感じが手に触れるとすぐに判ります。問題はいつの時代での延展かというところですが、すべすべした肌は新しさという不安要素をかき立てます。ただし土台は間違いなく密鋳銭です。
※見た目と画像が違うのはなぜか・・・?
細かい擦り傷が銭面で乱反射しているからではないでしょうかね。
踏潰様正字写
これは入札で落とせなかったものなので断定はできませんが踏潰銭の特徴がよく出ています。(画像の色調はやや青黄色くでているようです。)平成18年秋のオークションネットの入札誌に出品されたもの。他にも味のある品がたくさんありましたがこれはとくによい顔をしています。(下見をしたわけではありませんが・・・)
(オークションネットの入札誌(五)より)
踏潰様小字写狭穿
銭形や背波の乱れ、銅質は踏潰銭として合格!銭径が小さく面背が細密な砥石仕上げになっているので踏潰銭としなかったものですが、踏潰銭としても80%くらい良いかな・・・と、思っています。永フ画も少し仰いでいます。狭穿ぶりもなかなかの味。
※踏潰様として別項で紹介しています。これはなかなか良いもの。
小字写
入札誌で落手したもの。やや肉厚だがやすり目、銅質は踏潰系で間違いないようだ。
※穿内仕上げが違うので・・・。
【評価 ?】
小字写?(直鋳)
踏潰系というふれこみである入札誌で購入してしまったもの。たしかに上図のものの延展前といえばそうなのかもしれない。ただ、確証はありません。
※銅質、製作は良く似ています。
濶永(大様)
濶永は踏潰銭の中ではありふれた書体だが、これだけ大ぶりなのは珍しいと思う。寛永間で28.2o、通寶間で28oほどある。
入門に母銭の古拓本が掲載されているが、大きさ的には近いものがある。


俯永手
永フ画が長く仰ぐが、基本的には俯永の書体がベースになっているもの。
穴銭入門などには俯永の直写しで背波の乱れはないと書いてあるが、延展による乱れはあると思う。本品は平成19年の江戸コインオークションの落札品。
21波下田管内刻印銭
現品確認をせず郵便入札で入手したもの。贋作だとしてもよくできている。下の刻印は右掲示のものと同一である。タ刻印の下辺に切れがなく、第3画の末尾が角ばるのが非常に怪しい。
評価は真品であったときのもの。
小字下田管内刻印銭
古銭商から入手したもの。上掲示品とタ刻印の形状が異なる。タ刻印の囲みの下部が丸く太く、一部が切れる。
俯永下田管内刻印銭
入札で入手したもの。これもまた刻印の形状が微妙に違う。流通の形跡はあるので一番まともか?
4品のうちひとつくらいは真品があるだろうか?
新寛永拓影集から
正字下田管内刻印銭
これも郵便入札で入手したもの。タ刻印がないのは現品が届いてから気づいた。問い合わせに対し贋作ではないとの返事。かなり有名な古銭商だったので信用したが、後の祭りか?
タ刻印の拡大図
左上:下部に切れ目がないようにも見えるが打ち傷変化かもしれない。
右上:斜め画が太くざん切りか?
左下:なんとも言えないが、悪くもなさそう。
右下:細字で四角が幅広いがポイントはすべておさえている。
贋造刻印
文字がベタッとしていて、切れがありません。贋造ポイントもいくつか符合しています。決定的なのは刻印が新しいこと。古い刻印なら底に垢がたまっています。贋造品はひとつひとつ丁寧に刻印を打つため、文字が深くなる傾向があります。

【評価3】
正永(背削輪)
比較的整った書体であり、永フ画は気持ち仰ぐ。寶冠の跳ねは削られず残るのが広永との違い。背削輪は背の内径が大きくなるというが、鋳ずれなどで判りづらい。背左下の波の角度が浅くなること、全体的に細字になり、寛足の内跳ね傾向が強い事が本体と違うようだ。
俯柱永(大様)
元になったのは明和期俯永であろうが、永フ画が大きく、永柱が左に傾いている。掲示品は外径28.7oで通常のものに比べかなりの大型肉厚銭である。
広永(最大様)
外径29.35〜29.7oほどあり、踏潰銭としてはチャンピオンクラスの大きさです。書体はありふれていますが、とにかく大きいことは良いことです。
内径19.6o 肉厚1.15o 重量5.3g
※あるいは圧延銭か?
広永(母銭)
ハドソン社の東北・北海道の貨幣に掲載された広永の母銭(誌上では濶永の名前で掲載。)
画像は面背内径はほぼ同じに揃えてあります。母銭の方の広穿ぶりが目立ちます。永下輪の傷から見て、どうも兄弟銭のような雰囲気です。実物の内径値を知りたいところ。
(東北・北海道の貨幣より画像借用)