特徴:中字書体で文字がやや離郭する。書体は比較的まとまっているが文字にやや太細変化があり素朴。
21.岡山短尾寛銭
とりあえず岡山の名前を冠していますが、制作や書体的に岡山ではない・・・と思われるものを集めています。短尾寛については水戸狭足寛と書体的に近似し、古寛永泉志では同類ではないかと、断定的な記載もみられます。また、母銭が未使用の御蔵銭のサシから発見されたこともありますので、銭籍についてはあくまでも仮のものだといえます。
水戸正字縮字は書風に近似性が認められるためにここに仮籍をおくことにします。また、旧来太細とされていた太細内跳寛についても、その書風から籍を移動してここに統合します。
以上、ここにまとめた類はさらに雑多性を極めています。いわゆる半端物の吹き溜まりですが、これらをまとめておくことによって、古寛永の分類がしやすくなると思います。無理な照合はあきらめて分からなかったら飛ばして閲覧して下さい。
なお、当初はここに岡山進永の類を入れていたのですが、やはり印象の差が大きく混乱の元になりますので、巻末に移動させました。
短尾寛 正字縮字 太細内跳寛 などの銭種があります。矛盾は残りますが名称はあえて変更していません。
勁永の縮字変化の例 どれも珍品ばかりです。永フ画の形状が異なり、別系統かもしれません。参考までに・・・。
勁永仰頭通
勁永縮字
勁永高寛
書風は狭足寛に類似。比較して下さい。寛目が巨大。
同じ特徴だが書風が違う。寛尾は郭の内側にある。短尾寛。
狭足寛
大目寛
退足寛の代表書体。変化がとくに激しい。
フ画が左下がりで、永尾に筆だまりがある。寶後足は短くなる傾向。
フ画が右下がりで、永尾に筆だまりがある。
勁永手
短足寶進点永
勁永
宏足寛
短足寶
狭足寛濶縁
狭足寛の濶縁縮字銭。書体が崩れ判別に迷うが、寛尾や寶後足の特徴で分類が可能である。上のものと比較すると背の濶縁ぶりが目立つ。
特徴:寛足分岐が退くものが多い。文字が離郭するもの、寶後足が短くなるものが多い。
20.水戸宏足寛手類
これはもう寄せ集めと言われても仕方ありません。存在も多く、微妙な書体の違いはありますが、基本的には水戸正字や星文手に書体や制作が近似しているものの集合体です。当初は水戸正字手類銭と名づけたのですが、正字が寄郭の特徴を持っているのに対しこれらは必ずしもその特徴を持っているわけではありませんし、離隔の傾向を持つものさえあります。寛足がやや退く特徴を持っているものが多いため、その代表銭の宏足寛の名をもらい宏足寛手類と名づけることにしました。鋳写しによって濶縁小字になる変化も多く、書体の崩れもあって判別は困難を極めます。したがって判らなかったら飛ばしても良いと思います。古寛永で迷ったらこの手か星文手か岡山・・・そんなところでしょう。なお変化は到底すべてを掲示できる範囲ではありませんし、蔵品にないものも多数あります。とりあえず参考掲示しますので、画像が増えるのを気長にお待ち下さい。
なお、この分類名称は私が勝手につけた仮称です。一般的に通用する名称ではありません。
19.水戸正字銭
古寛永において正字と言えばこの銭貨を指すと言っても過言ではないと思います。それだけにもっとも標準的な書体であり、それなりの格と言いますか風格のようなものも持ち合わせている銭貨です。背星文類と並び古寛永の標準書体銭であると思って良いと思います。非常に平凡な書体ですが、背星文や星文手と異なる絶対的な特徴を持っています。それが文字が寄郭するという点です。平凡な書体を見たら文字の配置を見る・・・これが鉄則です。正字縮字の書体はは同炉には見えないため他籍に移動させます。
正字 正字広永 に大別されます。
正字縮字平永(短尾寛大字)
これについては(水戸)正字の名称がついているものの別炉の感が強く岡山短尾寛や進永、太細の類にも近似していると思う。岡山短尾寛本体より狭貝寶である。正字縮字は(古寛永泉志によると)岡山泉譜(古寛永岡山銭泉譜の前譜?)では短尾寛系縮字とされたそうで、短尾寛降水大字とした方が自然であると思う。
短尾寛(降水)
降水の名称はやや分かりづらく、短尾寛小字で良いと思う。永字はやや仰ぐ。古寛永岡山銭泉譜では小字仰永とされたもの。永字が短めでやや扁平に見えるものが降水に該当するようだ。称:岡山短尾寛の類は文字が細くなる傾向。
正字
これといった特徴がない整然とした書体。美制で銅色黄褐色、文字が寄郭するのが通常である。仙台銭正字手はこの銭貨に似ているということだが、本家の方が文字が大きくしっかりとしたつくりである。仙台銭正字手の方が刔輪の度合いもきつく、銅色も異なる。外径24.7o、内径20.2o。
正字広永
たしかに広永であるが、こころもち本体より大字であるような感じがする。一方で刔輪の度合は少しだけきつく見えるものが多い。ある意味で新寛永の細縁銭のような存在かもしれない。外径24.65o、内径20.5o。
鋳写しが当たり前の古寛永の世界だからこそ、ノギス計測による分類や本体銭の探求が必要かもしれない。
正字縮字
正字縮字平永
穴銭入門(静岡いづみ会編)古寛永の部より
拓影の差かもしれませんが、このように言われてしまえばそのように思えてしまうから困ったものです。泉志との拓影とも微妙に異なるようで、泉志は平永系を本体にしているようです。平永は小王寶でさらに小字になり、こちらは短尾寛系の書体です。願わくばいづみ会の言う本体を入手して観察してみたいと思います。ただし、位付けから見ると縮字本体はかなりの珍品のようです。
正字刔輪
ときとして刔輪の度合いのきついものに出会えるかもしれません。これはさらに珍品のようです。

