総体的な特徴

※マ頭通で永尾が長くなる。
※銅色は茶〜黒褐色・紫褐色。
※濶縁小字である。
※輪の肉厚がしっかりある。
※外径24.5o以下のものが多い。

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藤沢銭
濶縁小字でやや高足寛。通頭が前のめりに見え、郭上辺に近い。かなり進永である。

濶縁小目寶
濶縁小字でやや高足寛。しんにょうは高い。わずかに寶貝が小さい。

濶縁高寛
濶縁小字で高足寛。しんにょうの頭位置が低く斜冠寶である。

濶縁
小字濶縁である。小字の割りに寶貝が大きい。

狭目寛
類品中では文字大きめ。寶が郭上辺より下がり、冠点が長い。

広目寛
類品中では文字大きめで寶冠が右肩上がり。

不旧手十万坪・藤沢銭類の拡大図

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【評価 10】

【評価 10】

【評価 10】

【評価 10】

【評価 10】

【評価 10】

藤沢銭
十万坪に良く似ているが、やや白味のある金質だということで、別の銭籍が与えられている。作は安定している。文字はさらに小さくなりやはり濶縁である。ポイントは通字マ頭が右肩下がりなことと通字が郭の上辺近くまで上がっていること。
濶縁小目寶
濶縁小字でやや高寛気味、しかも小通である。前2銭と本当に良く似ているが、わずかに寶貝画が短く小さい。

従来は享保期とされていたこの銭貨は、発掘調査の結果元禄期までさかのぼることになったようです。外径は24.5o以下のものがほとんどで、享保期の他銭に比べて見劣りがしますので、発掘調査の結果は妥当だと思います。江戸期には銭の相場があって、同じ時代に違うサイズの通用銭は存在し難く、淘汰が当然のように生じたと思います。悪貨が良貨を駆逐する・・・の格言は、当然に有効だったはずですし、金銀貨の質を向上させた時代は銭も良質なものになったはずだと思います。したがって、この銭貨以外にも時代に合わない銭容のものがまだまだあると思います。鋳地は未確定ですが、分類のため旧説に従って十万坪の名称はそのまま残します。
書体は不旧手の系統ですが、銅色は赤茶系で、小柄ながらしっかりした作のものが多いと思います。存在量から類推して比較的大きな銭座であったことは間違いないと思われます。

不旧手 【藤沢銭】

濶縁
一般には濶縁という名称で呼ばれているが、以下の銭貨も濶縁であるので注意。当然ながら文字が小さくなるので寶字が郭の高さの範囲で収まるのがポイント。ただし、次掲2品との差があまりないので、分類には比較して見極めてもらいたい。
濶縁高寛
これも濶縁である。文字はさらに小さくなる。寛の足が高いのは名称通りで、ポイントは通字の用画としんにょうの高さが一番低いこと、寶字ウ冠が右肩上がりになることである。小目寶、藤沢銭とも似ているので比較していただきたい。
狭目寛
寛字の見画の幅が狭い。また寶字全体が下がり、いわゆる降寶である。
広目寛
寛字の見画の幅が広く、台形気味。また寶字のウ冠の右肩が上がる。こぶりだが制作技術は良く、しっかりしたものが多い。寛冠の幅も広い。

不旧手 【十万坪銭】  元禄期推定

【評価 9】

退永小通
通字の用画がわずかに小さい。またマ頭が水平になる。鑑識のポイントとして寶字が郭の上辺あたりまで上がっており、昂寶といった方が判りやすいと思う。
以上、この3書体は後述の元文期山城銭に引き継がれている。

【評価 10】

【評価 10】

退永
退永というが永字が右側にあるわけではなく、ほぼ中央に位置する・・・と、いうよりも永柱がやや起き上がり気味。あくまでも前掲銭との比較の話である。通頭は3種の中では一番俯す。
七条銭の銅色は茶褐色〜紫褐色などやや黒味がかった茶色のものが多いが、浅彫りで銭面が傷みやすく、存在が多い割りに状態の良いものが少ないような気がする。

不旧手 【七条銭】 元禄期推定

進永
従来は享保期の鋳造とされていたが、宝永の富士山噴火時に埋没した遺跡からも発見されており、元禄期頃の鋳造であることがほぼ確実視されている。となると、この銭貨が本来の京都荻原銭である可能性があり、荻原銭が不旧の筆であるという伝承とも符合するように思われるのだが・・・。薄手だが大型の銭径でマ頭通が特徴。永字が郭中央より左側に進んで俯し、尾を長く引く。
※わかりやすいように拡大表示してありますが、本来はやや粗雑な作です。また、母銭は淡黄色系で精巧なものが多いと思います。

不旧手 【折二様:俗称 享保期御用銭】

6.不旧手の類 元禄期〜元文期 推定
             
いずれもマ頭通で俯永という共通した書体ですが、前掲の荻原銭と書風が似ています。銭文筆者は長崎屋不旧という説があり、これら一連の書体の銭貨を不旧手と称します。鋳期については謎が多く、前掲の荻原銭と同様にどの種類がどの時代、場所に該当するかは諸説があり一定していません。ただし、近年の発掘調査により従来享保期とされていたものが元禄期までさかのぼることがほぼ確定し、銭籍については改める必要が生じています。そこで従来の名称を尊重しながらも鋳期については間違いのない年代に変更するということにします。

折二様、七条銭、十万坪銭、藤沢銭、山城横大路銭、伏見銭、伏見手に中分類されます。

【評価 珍】

【評価 少】

折二様小様
上記の折二様を磨輪したものではなく、掲示品は内径が小さくなる。磨輪をしたものも存在するそうだが、後作の可能性もあるので注意。制作はさらに粗くなるため見栄えはしないが、存在は極めて少ない。人気があまりないので評価は抑え目にしてあるが、本来は大珍クラスのものである。内径18.9o、外径25.2o。
折二様(白銅質)
享保期御用銭の俗称で有名で銅質や制作から見て、元文期の鋳造のように思われるが、旧説に従い不旧手類の冒頭を飾ることとする。直径が26oを超える大型銭貨でいかにも特別なものという風貌だが、その割りに制作はやや粗い。
記念硬貨的なものではなかろうかと私考している。銅質は白銅〜黄褐色のものまであるようだが、紫灰白色のものが多いようである。内径19.2o、外径26.65o。

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不旧手折二様の拡大図

折二様は不思議な銭で、写真左側の通常のタイプ@の他に、A内外径が大きいもの(郭内テーパーあり) B内径は変わらず外形が大きいもの(郭内テーパーあり) C内径は変わらず外径が小さいもの D内外径とも小さいもの(写真右側)の5タイプがあるようです。このうちAはおそらく母銭でしょう。問題はBの存在で、これはDの母銭とすべきか悩ましいところです。今まではかえりみられなかったのですが、折二様にも初鋳銭と次鋳銭があるのではないでしょうか?
折二様の小様はたしかに珍品なのですが、内径に差がなければ単なる磨輪銭に過ぎないのではないでしょうか?なお、母銭系の銅色は黄褐色系だと聞きます。

黄銅質の折二様(大様)
折二様の銅質は白銅〜紫褐色系のものが多いのですが、黄銅質のものも存在します。画像は銀座コインオークションの出品画像です。倍率が違いますので上の画像との大きさの単純比較はできませんがやや大柄です。母銭は黄銅質で内郭にテーパー仕上げがあるといいます。母銭ではないとは思いますが、掲示品はちょっと気になるところです。同様のものが江戸コインオークションにも出品され10万円以上の落札となっています。

(平成16年銀座コインオークションカタログより)

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黄銅質の折二様(大様)
外径27.25oで大型ですが内径19.2oは一般のものと変わらない大きさです。黄銅質で肉厚。輪側仕上げは非常に丁寧で、材質の練れも良くて肌も滑らかです。
内径が大きくないので母銭ではなく、郭内にテーパーがないので新寛永通寶図会の説明にある特別な大型銭というわけでもありません。前の表現を借りると E内径は変わらず外形が大きいもの(郭内テーパーなし)になります。
最上段の折二様の画像は余白を大きくとってあるために本画像より小さく見えますが、本来はそんなに差がありません。(0.25oの差)