不知天保銭の見分け方
天保通寶の密鋳は、天下の大罪ですので見つかったら厳罰は免れません。一方で一文銭数枚のコストで鋳造できる天保銭は財政逼迫にあえぐ諸藩にとって魅力的な存在でした。そこで諸藩は幕府に隠れながらもその鋳造技術を尽くして天保銭の密鋳に励んだと思われます。密鋳ですから文献などの証拠は極力残していません。密鋳は民間でも行われたようで、実に様々なタイプの密鋳銭が存在しています。
銭譜では本座分類にならって 長郭手 細郭手 中郭手 広郭手 に分類することが多いのですが、モデルが確定できないものもあります。また、前記分類に加えて
① 新規母銭から製造されたタイプ → 本座銭を無視したオリジナルで個性溢れる書体
② 摸鋳母銭から製造されたタイプ → 本座銭に似せているがどこかが違う書体
③ 本座銭を母銭として、そのまま、あるいは軽く覆輪などをして鋳写しを行ったタイプ
④ 本座銭の輪に加工をして母銭にしたタイプ → 覆輪刔輪変化が目立つもの
⑤ 銭体の改造が銭文全体にも及んでいる改造鐚タイプ → 覆輪、刔輪に加えはっきりした文字変化がある
⑥ ①~⑤までをさらに鋳写したもの。銭体が極端に縮小したり、変化が進んだもの。
⑦ 直接鋳型に文字を書いて鋳造したタイプ
などの考察分類も可能ですが、これにも中間的なものがありますので種類は無限大といっても良いかもしれません。
不知銭には比較的分かりやすいものから、専門家でも判別困難なものがあります。
そこで微細な変化、違いを発見する必要があります。ポイントは・・・
(A)銅質や制作の違いを感じとる。・・・ただし、これは保存状態でかなり変化します。
(B)大きさ(長径)を比較する。本座の標準サイズは49.2㎜前後です。
(C)側面極印を見る。無極印であったり、異極印は本座以外が多い。
(D)側面のやすり目を観察。本座のやすり目と違うかどうか見る。
(E)銭文径を測る。ノギスで計測します。
寛永銭で有効だった内径計測は覆輪、刔輪という技法があるため天保銭の場合はあまり有効ではありません。
参考値(本座銭標準値)
本座長郭:長径49.1~3㎜ 短径32.4~5㎜ 銭文径41.5~8㎜
長郭以外:長径49.1~3㎜ 短径32.4~5㎜ 銭文径41.2~4㎜
(サイズはあくまでも目安で、かなりばらつきがあります。)
なお、本座銭には絶対的な規定重量があり、最大重量21.75g、最軽量19.5gの範囲に収まるように鋳造され、規定外は溶解処分になったようです。したがってこの重量範囲外のものはかなりの確率で不知銭があるといってよいと思います。(ただし、軽量の場合は盗銅や焼けによる目減りに注意して下さい。)
※実際には当時の計量は精密ではなく、長郭では22.2~19.2g、長郭以外は24.2g~18.9gまでのばらつきが観測されるようです。
平成20年5月春の古銭会において天保銭人から教えて頂いたこと。
1.本座の天保に覆輪、刔輪はない。反郭、含円郭も本座ではありえない。(紀州という噂が・・・)
2.本座の天保の郭内の仕上げは背から面にかけて平やすりが入るが、郭内全体にきっちりやすりがかかることはない。
3.本座は郭内がでこぼこするような品は廃棄対象である。→そのようなものは本座外。
4.本座は極印はきっちり、丁寧に打たれる。(上下逆はある。)ないのは不知品。
5.本座は文字の立ち上がりは台形状。文字が細く先の尖った山にはならない。
6.不知品のほとんどは藩鋳銭である。したがって銭体が縮小しない精巧なものがあるのは当然である。
7.本座は輪側面のヤスリ目は始点と終点が細く、中ふくらみの形。これはやすりの形状からこうなる。
8.製造手順は厳格だが本座の通用銭の仕上げは雑なものも多い。
※鋳写し系の品はデータの異常値を赤文字にしてあります。 |
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| 【不知銭:長郭手類】 |
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俯頭通 【評価 大珍】
長径49.0㎜ 短径32.25㎜ 銭文径41.2㎜ 重量24.1g
長郭手あるいは細郭手ともされますが、いずれとも書風は異なります。オリジナル書体を主張する個性派有名不知銭。小判の形ながら、本座銭より上下のカーブが緩やかでコインホルダーからはみ出します。気持ち良いほど伸びやかで大振りな文字。背の花押も独特です。掲示品は制作も極上で特別な銭・・・といった感じです。俯頭通という名前ですが、巨頭通としたほうが良いかもしれません。郭幅や文字に若干の変化があるようです。私自慢の逸品でありかなりの珍銭です。
典型的な①タイプです。
→ 掘り出し物の記憶 |
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長郭手 広穿大字 【評価 大珍】
巨字・・・といっても良いほど面背とも文字が大きく、かつ広穿になっています。銭径も上下のカーブが緩い大型銭です。非常に魅力溢れる不知銭ですね。私あこがれの逸品です。
①のタイプです。
(平成16年オークションネットⅣカタログより) |
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長郭手 張点保 【評価 大珍】
長径49.75㎜ 短径33.35㎜ 銭文径41.6㎜ 重量22.1g
銭径雄大、書体はオリジナルですが、モデルは間違いなく長郭です。異足寶平頭通の名前もありますが、源氏名の方が知られています。天保の文字が大きく、保字の点が長く、天の二引きはとても力強く直線的です。通頭は直線的に加刀され、寶の足も長く反り返ります。実はこの天保銭は有名な奇天の仲間で、天字の前足が長く伸びようとする癖が残っていますので奇天手張点保としても良いと思います。これも俯頭通に優るとも劣らない大珍銭です。
※天保仙人氏によると張点保は7~8枚しか確認されていないそうです。
①に⑤の要素が加わったタイプです。
→ 掘り出し物の記憶 |
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長郭手 奇天 【評価 大珍】
天の前足が気持ちよく伸びる不知天保銭の天下の珍品です。書体、背の花押の形状から張点保と同類であることが判ります。郭の幅がわずかに広くなることも特徴の一つ。オークションでの落札価格は660万円。手数料を含めると700万円以上の価格がつきました。
※民間にある奇天はこれ1枚?
①に⑤の要素が加わったタイプです。
(平成17年銀座コインコインオークションカタログより) |
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長郭手 奇天手 【評価 大珍】
あと一歩で奇天になりそこねています。郭も細く良く見ると天字の前足の周りをはじめあちこちが削られています。かなり作意の感じられる加工なのですが、果たして制作者は何を意図してこの作業を行ったのでしょうか?
これも奇天ほどではないにしろかなりの貴重品です。
※不知天保銭分類譜によるとこのように足が変形するのは、鋳物の特質上のもの・・・近接点がくっつこうとする性質・・・があるからだそうです。それを修正するのが刔輪であるとのこと。(刔輪は輪の歪みや偏り修正のためでもあるとのこと。)
(平成17年銀座コインコインオークションカタログより)
→ 秘宝館 |
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長郭手 尨字異頭通 【評価 大珍】
尨(ぼう)の文字は【むくいぬ】とも読みます。むく犬のように素朴でころころしている・・・というのでしょうか?私は容弱と同じような意味として受け取っていました。尨字類とされていますが、私個人としては奇天類になんとなく似ていると感じています。文字は縮小していますが、保点や寶足の長さ、背の花押の形状をよく見比べてみて下さい。(秋田藩銭にも似ていますね・・・)
②のタイプです。
(平成17年銀座コインコインオークションカタログより) |
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長郭手 尨字塞頭通 【評価 大珍】
文字は独特で、銭形も胴部のふくらみの強いオリジナル銭です。通頭が完全に塞がり、寶尓の点が肥大しています。これも尨字の類になります。
②に⑤の要素が加わったタイプです。
(平成16年オークションネットⅣカタログより)
②のタイプです。
※尨字の意味はむくいぬの乱れた毛を意味するようで、雑然として色々な書体に見えることから・・・という意味らしいです。 |
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長郭手 覆輪刔輪大点尓寶 【評価 少】
長径49.2㎜ 短径33.1㎜ 銭文径41.3㎜ 重量20.9g
制作から見てかなり実力のある銭座だと思います。覆輪の結果、銭の形状が非常に特徴的で、側面のカーブが大きく頭がすぼまるきれいな卵型で、短径の大きさが目立ちます。文字は縮小接郭、短尾通で肥長足寶の特徴もあります。
②のタイプですが⑤の要素もあります。 |
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長郭手 鋳写(黄銅質無極印) 【評価 5】
長径49.0㎜ 短径31.9㎜ 銭文径41.65㎜ 重量20.5g
やや黄色味が強く、手に持ったときに銭の角々が鋭く感じます。これは磨き仕上げの違いでしょうか?鋳写しのように見えますが規格的には本座とほとんど差異がありません。
以下、判別困難なものが続きます。
③のタイプなのでしょうか? |
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長郭手 鋳写無極印 【評価 5】
長径49.0㎜ 短径32.25㎜ 銭文径41.5㎜ 重量19.9g
滑らかな肌で一見して本座銭と区別がつかない非常に精巧な密鋳銭です。密鋳銭は見つかったら厳罰が待っていますので、各藩ともかなり慎重にならざるを得ないものだったと思われます。逆説的に言えばオリジナル書体のものは試作的なものか、幕府に公然と立ち向かう力を持った外様藩、あるいは幕府も暗黙に鋳造を認めなければならない親藩(会津藩など)に見られるものではないでしょうか?輪側の極印がありません。
③のタイプだと思われます。 |
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長郭手 鋳写(刔輪残痕) 【評価 5】
長径49.2㎜ 短径32.45㎜ 銭文径41.5㎜ 重量20.8g
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銅色は本座と変わらず、制作はやや粗いもののほとんど本座と遜色ありません。輪の右側に点々とタガネの痕跡が残ることと、郭内の仕上げが雑なこと、桐極印が小さいことなどから本座外らしいことが分かります。なお面右下の輪の歪みは湯道の痕跡で、仕上げの雑なところでもあります。この手の本座とほとんど差のない不知品はけっこう存在すると思われます。
③のタイプだと思われます。 |
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長郭手 鋳写(白銅質) 【評価 4】
長径49.25㎜ 短径32.45㎜ 銭文径41.6㎜ 重量18.6g
かなり白っぽい天保。錫分過多なのか銭径の縮みはわずかです。極印はあるものの小さく不鮮明で郭内の仕上げが雑というかほとんど手が加わっていません。重量は軽く本座の規定外です。
鋳写しとしては縮小率がほとんど見られませんが、制作的には違和感の多いものです。
③のタイプだと思われます。重量が規格外の軽量銭です。 |
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長郭手 鋳写長広穿(細縁) 【評価 5】
長径48.2㎜ 短径32.1㎜ 銭文径41.4㎜ 重量20.3g
銅色淡褐色、制作極めて良く、地肌が滑らか。通常の本座長郭の標準銭文径が41.8㎜ですから、直接1回の鋳写しといったところか。またわずかに広穿にも見えますが、穿内の仕上げもきれいにしていてかなり良心的なつくりです。(加熱されて伸びた?)拡大して観察してみると天前足、保人偏、輪の立ち上がり部分に加刀痕が残っているように見えます。
③のタイプです。
※あるいは改造銭か? |
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長郭手歪斜穿 【評価 3】
長径48.8㎜ 短径31.8㎜ 銭文径41.2㎜ 重量17.9g
火事で焼け歪んでいるのではないそうです。サイズから見て完全な写し。鋳造中に鋳型を倒すなどの行為で衝撃を与えてしてしまったため溶銅の重みで銭型が歪んでしまったものだそうです。本座の場合はこのような失敗作は溶解処分されますが、不知品の場合はそのまま世に出てしまう例があるそうです。ただ、極印がはっきりしないのであるいは後作かもしれません。 |
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長郭手 鋳写白銅質異極印 【評価 3】
長径48.8㎜ 短径32.00㎜ 銭文径41.25㎜ 重量23.2g
極印は桐の葉脈が半月状(UFO型)になっています。長径があまり縮んでいないのでスリムに見える銭形です。おそらく覆輪刔輪されていると思いますが、見た目以上に大きな銭文径です。
→ 天保銭極印図鑑
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長郭手 鋳写(白銅質) 【評価 3】
長径48.7㎜ 短径31.65㎜ 銭文径40.9㎜ 重量22.0g
全体に白っぽい銅質。全体にスリムな銭径で、上の銭形に近いのですが、極印は上のものとは違います。 |
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長郭手 鋳写(尖足寶) 【評価 3】
長径48.4㎜ 短径31.45㎜ 銭文径41.0㎜ 重量20.8g
やや白銅質気味で、上掲示品との関連性が疑われます。細身の銭形は覆輪などとは無縁の製造を物語っています。寶足の周りに加刀痕跡があり、とくに前足が細く尖っています。
極印は桐型で普通。
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長郭手 覆輪白銅質異極印 【評価 2】
長径48.9㎜ 短径32.30㎜ 銭文径41.00㎜ 重量21.4g
輪幅がわずかに広く、覆輪だと思われます。なめらかで非常に美しい肌の白銅銭で文銭の白を思わせます。極印は葉っぱの部分が省略された十字型のものです。
→ 天保銭極印図鑑 |
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長郭手 鋳写魚子地肌(縮形) 【評価 3】
長径48.55㎜ 短径32.0㎜ 銭文径41.15㎜ 重量22.2g |
魚子地(ななこじ)は一般には松葉でつついたような小さな穴がぶつぶつあいた鋳肌を言います。仙台銭のそれが有名ですが、観察するとぶつぶつ隆起が連鎖して小穴を形成しています。
この不知銭は金質は異なるものの仙台銭に似た典型的な鋳肌だと思います。 |
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長郭手 大爪百(縮形) 【評価 2】
長径48.55㎜ 短径32.0㎜ 銭文径41.2㎜ 重量21.1g
一回り小さくなっている鋳写銭。素朴な不知銭タイプで不知品としての選び出しには迷いません。直写しですが銭笵や素材の縮小が著しいケースなのかもしれません。
背の百や花押の角先端に修飾が見られます。
③のタイプあるいは⑥か?
※88年4月の天保銭28PにD氏所蔵の品として記事紹介されています。もちろん原品のようです。 |
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長郭手刔輪張足寶 【評価 2】
長径48.65㎜ 短径32.3㎜ 銭文径41.05㎜ 重量19.9g
寶下にやや強めの刔輪が見られるものの、銭文径の変化が少なく、覆輪銭らしくも見えず、全体に細縁になっています。しかしながら書体はどうみても張足寶の系統。穿内はべったりと四方向やすり仕上げです。 |
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長郭手縮形(三連尓)美制 【評価 3】
長径48.1㎜ 短径31.85㎜ 銭文径40.95㎜ 重量22.0g
銭径は小さいもののその他は見事なほど違和感なく。本座銭に酷似しています。子細に観察すると、穿内は4方向からやすりが入っているほか、輪極印が大きい特徴があります。
所蔵品の中でも1、2を争う本座との酷似性・・・これをはじめに見つけた方は相当の目利きでしょうね。
入札の落札品なのですが秋田のM氏の所蔵品であったらしく、氏の手書き札がついていました。そこにはなんと不知天保通寶分類譜下巻P8の8の文字が・・・。当然、英泉天保通寶研究分類譜の原品(1128)でもあります。
これはラッキーでした。 |
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不知長郭手真鍮質 【評価 5】
長径48.85㎜ 短径32.35㎜ 銭文径40.9㎜ 重量21.1g
石ノ巻銭に似た銅質(と、いっても私が今まで見てきた印象の中での判断です。)で、1回写しのサイズ。
この銅色は明治~大正期につくられたものに近いのですが、銅質以外の制作には矛盾がみられずに極印、やすりともしっかりしていて古鋳の雰囲気。色が気にいらないので評価は高くできません。あるいは四文銭を潰して鋳直したものか? |
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長郭手 覆輪削字異極印 【評価 3】
長径49.1㎜ 短径32.4㎜ 銭文径40.95㎜ 重量21.5g
やや白銅質ながら、規格的には本座銭の標準規格範疇に完全に入っています。銭文径が小さいことから覆輪銭になっていますが、非常に微妙な範囲。保点や寶貝横引きが細くなっているなど微細な削字は入っているものの、不自然さもありません。穿内はていねいなヤスリが4方向、背側から入っています。極印は十字状に見える異極印です。 |
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長郭手 異冠當異極印(白銅質) 【評価 3】
長径48.9㎜ 短径32.05㎜ 銭文径40.9㎜ 重量23.7g |
| 銅質は白味を帯びていますが、制作は肉厚でなかなか立派。背の當字の第1画が加刀で俯し、第3画も短く削られています。極印は鬼面か猫の顔のような形ですが、破損しているらしく左右とも半分しか打ち出されていません。 |
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長郭手 鋳写(覆輪) 【評価 3】
長径48.9㎜ 短径32.6㎜ 銭文径40.9㎜ 重量19.8g
ぱっと見て本座銭・・・大きさも大ぶりで問題ないサイズ。銅色も少し赤いけど本座の範疇。加刀痕跡もほぼなく、郭の仕上げも矛盾なし。
しかし、銭文径が縮み、極印も薩摩に似たとげとげしい形。
じっくり見れば輪の幅がかすかに太いのですが、それもほとんど分からない。見事のひとことです。
横に広い形状は覆輪刔輪の類を示しますが、痕跡がほとんど残っていないので、鋳写し銭とされてしまうと思います。(わずかに寶足が長く見えますが、これも分類名にするほどではありません。) |
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長郭手 縮形(磨輪) 【評価 2】
長径47.6㎜ 短径31.45㎜ 銭文径40.9㎜ 重量18.4g
銅色赤味のある黄銅、製作は良好。銭形縮小の場合は通常は48㎜程度までで、48㎜未満は少ないものです。流通面を考えると極端に小さいものは、除外対象になるからでしょう。通常銭に比べて2㎜近く小さい姿は異様ですが、加刀変化がなく銭としてのバランスが良いため案外目立ちません。
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長郭手 鋳写(縮形當細字) 【評価 3】
長径48.2㎜ 短径31.9㎜ 銭文径41.0㎜ 重量19.3g
単品で見たら本座との区別はつかないと思いますし、本座に混じっても大きさを比べない限り見分けがつきません。覆輪も刔輪もほとんどなく、精巧に鋳写しており、銅色もまったく本座と変わりません。
なにより上掲のものより小さいということに驚きを覚えることかと思います。當や天の字に若干修正が見られますが、とにかく見事としか言いようのない作です。特徴が少ないので評価は下げてありますが本来はもっと評価されても良いと思います。 |
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長郭手 狭玉連玉寶(陰起文) 【評価3】
長径48.5㎜ 短径32.2㎜ 銭文径40.85㎜ 重量22.0g
不知天保通寶分類譜の下巻P59の28番の原品だそうです。上掲の背當細字と同じように當冠が歪み、分類名のように狭玉連玉寶でかつ小点尓、小点通、接点通です。もっともこれらの変化は若干の加刀はあるものの、鋳不足的な陰起変化かもしれません。郭内は4方向きれいに仕上げられています。また、やや横に膨らんだ卵型形状は覆輪変化であろうことを示唆していますが、残念ながら磨輪されてしまっているようでその点が明らかではありません。 |
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長郭手 縮形削字(背上反郭) 【評価 3】
長径48.25㎜ 短径31.9㎜ 銭文径40.95㎜ 重量21.9g
銅色、制作とも本座と寸分たがわず、側面の桐極印もほぼ完璧。ただし長径が48.25㎜(通常は49㎜以上)しかなく、輪幅もわずかに広いため(覆輪によるものと推定)不知銭と判断できます。よく観察すると文字のところどころに修飾の痕跡があります。とくに背郭の上辺にははっきりとした加刀痕が確認できます。
本座の銭文径(天字の上辺から寶貝の下横引きまで)は長郭で41.8㎜ 細郭~広郭で41.3㎜程度ですのでこれより0.3㎜以上小さいと不知銭の可能性が高くなります。ちなみに掲示品の銭文径は40.95㎜とかなり縮小しています。
③のタイプから④に移行する過程のもの。 |
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長郭手 縮形削点尓寶(痩字天保) 【評価 3】
長径48.2㎜ 短径31.9㎜ 銭文径40.9㎜ 重量20.6g
銅色、制作とも本座と酷似。あるいは上掲品と同炉かもしれません?外径48.2㎜と小さく背輪が歪んでます。天保の文字は加刀により細く、寶珎の王画右側と尓全体も削られています。
さすがに本座銭と並ぶとその差ははっきり分かりますが、単独で見たら見逃してしまうかもしれません。
これは古銭商の店頭で見つけたもの。ただし、別の掘り出し物を購入するための犠打でそれなりの価格を払っていますが、不知品としてはまずまずの品です。
④のタイプですが⑤に移行中のもの。 |
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長郭手 覆輪縮形背広郭異極印 【評価 少】
長径47.95㎜ 短径32.05㎜ 銭文径39.95㎜ 重量23.2g
白銅質で覆輪の上に再写し銭という特異なもの。長径が縮んでいる割りに短径はさほど縮んでいないのは、覆輪による変形でしょう。また、極印はまん丸で結構自己主張の強い不知銭です。(→ 天保銭極印図鑑)
重量もずっしり重く、郭も増郭(嵌郭)されているようで広郭気味です。地味ながらかなりの珍銭だと思われます。
※仙人のご指摘により、この品が貼り合わせによるものだと判明しました。なるほど分厚かった理由が分かりました。 |
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長郭手 覆輪縮形 【評価 2】
長径47.9㎜ 短径31.75㎜ 銭文径39.9㎜ 重量17.6g
銅色は本座と変わらず、制作も上々。しかし。、この縮小振りはかなり際立っています。覆輪銭の雰囲気が背によく出ているのですが書体の乱れはほとんどありません。刔輪のみられない覆輪縮小銭はこの程度が限界でしょう。 |
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長郭手 削点尓寶縮形薄肉広穿 【評価 5】
長径47.60㎜ 短径31.20㎜ 銭文径40.55㎜ 重量13.5g
縮径銭としては限界に近いサイズ。銭文径もかなりの縮小で再写しかもしれません。特異なのはその薄さ。重量13.5g、肉厚は2㎜しかありません。大きさともに流通が心配されるサイズです。
書体変化はあまりないものの寶尓の前点が小さくなっています。
やや真鍮質なので、明治、大正期の作かもしれません。評価はそのためグッと落としました。
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長郭手 覆輪刔輪残痕 【評価 2】
長径49.0㎜ 短径32.5㎜ 銭文径40.9㎜ 重量22.2g
銅色、鋳肌は初期の薩摩藩銭や琉球通寶に良く似た黒褐色で、側面には極小の桐極印が打たれています。覆輪刔輪銭で文字が縮小し寶前足が少し長く変化しています。刔輪痕跡があちこちに見られ、背輪右側は不完全な状態のままで作業が終えられています。郭内は滑らかで角もきっちりやすり掛けされています。
④タイプ。 |
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