


バリアフリーはハンディキャップを抱えた人の障害(バリア)を排除(フリー)する考えで、今はスタンダードとなった考え方です。
しかし、この考えを一歩進めた取り組みがスタンダードになりつつあります。
これがユニバーサルデザインです。
ユニバーサルデザイン(Universal Design)とは「普遍的な,すべての」という意味です。
したがってユニバーサルデザインとは、製品、建物、環境を、あらゆる人が利用できるようにはじめから考えてデザインするという概念です。
一方、バリアフリーは初めにバリアが存在し、そこからスタートするデザインの方法と言えるでしょう。「バリアフリー」はバ
リア(障害)の社会的存在を前提とし、それらを軽減しようとする考え方です。
したがって、バリアフリーは「障害者差別を温存・助長する」と、指摘する人も居ます。
それに対しユニ バーサルデザインは最初からバリアが取り除かれていることを目指してます。つまり最初
からあらゆる人が使えるようにデザインしておくというところが、バリアフリーデザインの概念とは大きく異なるのです。
このユニバーサルデザインの概念を実際に製品のデザイ
ンに取り入れていく時に、とてもわかりやすく参考になる7つの項目があります。それは
1997年にロン・メイス氏によって作られたユニバーサルデザインの7原則と呼ばれるものです。
原則1:誰にでも公平に利用できること
原則2:使う上で自由度が高いこと
原則3:使い方が簡単ですぐわかること
原則4:必要な情報がすぐに理解できること
原則5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること
原則6:無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
原則7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
以上7原則は原則として、他に多くの考慮すべき項目は有りますが、どんな人も快適に安全に過ごせる社会は、誰もが望む社会のあり方ではないでしょうか。
たとえば風呂場で使用するシャンプーとリンスが、目をつぶっても形状や凹凸によって確認できることは健常者身障者の別なく便利なことです。
室内の段差の解消は車椅子使用者だけに便利なのではなく、掃除機の引き回しに便利です。
リモコンスイッチや電話などは軽量化、小型化を目指すあまり、限られたボタンの押し方の組み合わせで多くの機能を実行しようとして操作が煩雑です。
限られた機能に集約して、ボタンも大きく見やすい物にすれば高齢者にも使いやすくなりますし、エラーも少なくなります。
駅のエレベーターは身障者だけでなく、ベビーカーを使用する母親にも、妊娠中の母親にも、海外旅行から帰ってきた大荷物の人にも親切です。
住宅の階段の手すりは安全のための設置という側面はありますが、階段の利用者の多くが、どこかに触りながら上り下りすることを知っていれば、汚れ防止という観点からも手すりの有効性は理解できます。
人間工学に、到達高さと占有範囲に関する基本的な考え方があります。
到達高さは90%の人が届く高さ。占有範囲は体格の小さな人から大きな人までの90%が使用可能な範囲まで広げておく。
工場の棚や航空機のトイレは、平均値を採用すれば結局50%の人が使用できなくなります。
平均値というものの陥りやすい間違いの例です。
ユニバーサルデザインは、環境や物の共有範囲を広げることになりますから人の機能の個体差による不便さが初めからありません。
差別の無い社会の基本的概念として心がけるべきことでしょう。
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