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近年、住宅が原因となる疾患は増大し、別項で触れているシックハウス症候群などの典型的な例があります。
現在、予防、改善のためのエコ建材、健康建材、自然建材の商品群の情報が氾濫し、消費者は既に健康被害を受けている人もいて、これらの正確な情報は望まれるところです。
まず述べておきたいことは、これらの商品群が予防的な意味合いはあっても、治療効果は期待できないということです。
治療は医療行為であって、建材や内装材によって疾患が治癒することはありません。このことは強く認識して一連の建築用素材を採用してください。
無害なもの、有害物質の吸着等に効果のある物は多く有るので後述しますが、これらの素材、建材に「健康」の名をかぶせることは行き過ぎると薬事法違反となります。
自然素材の代表である木材は無害であると考えられていますが、スギ花粉のアレルギーは自然素材イコール無害の考えとは矛盾します。
また、漆の塗料は、乾燥期間が終了していなければかぶれることはどなたでも知っていることです。
アレルギーはアレルゲンに対する特異反応ですから、その素材が属するカテゴリーで安全、危険を判断できるものではありません。
木材が発散するTVOCに付いてはまだ未知の部分が有りますので、過敏症の方は個別に反応を検査する必要があります。
エコ建材は、健康建材と呼ばれる商品群とは考えを異にしている商品群です。
エコ建材のエコははエコロジーの略で地球環境負荷の少ない建築材料を指します。
限りある資源の無駄使い防止、再生、再使用、長期使用、廃棄処理時の消費エネルギーが少なく、空気や土壌の汚染などが少ない物を指します。

左官材料
湿式工法の材料で、左官職人が専門職として施工する、技術を要する施工方法です。
近年、乾式工法のクロス工事(壁紙工事)に押され、施工面積は減少していますが、室内空気の汚染防止、予防、廃棄処理の負荷が少ない建材です。
工事期間が乾式工法に比べ長期にわたることと、熟練技術者の減少が施工面積の縮小の要因と考えられます。
漆喰(しっくい)、プラスター、珪藻土、モルタル、ジュラクが代表的な材料です。

塗料
石油溶剤を使った塗料は施工者も健康被害を受けますので、天然塗料が近年注目されています。
主材に天然素材を使いながら、微量の石油系溶剤を使用しているものもありますが、乾燥した時点で揮発性物質は低減しています。
施主の身体状態に応じた選択が必要だと思います。
多くは植物油、と着色顔料による塗料ですが、塗料は本来材料保護や汚れ防止が目的ですからその用を成さない材料ならば、無塗装も視野に入れるべきでしょう。
車のボディーも塗料仕上げなのですから、化学物質過敏症で無い限り石油溶剤使用の塗料が使ってあっても、完全乾燥をすれば問題は少なくなります。
工事期間が終盤は慌しいため乾燥期間を充分取らずに引き渡しに至ることがあります。
冬季は窓も開けずに入居すると多量の有害物質の被爆により、発症することも有ります。
この事は工事業者の管理の改善が望まれるところです。
商品にはオスモ、リボス、材料としては天然ワックスやオイル、柿渋、漆などが上げられます。

木質系板材
材料には無垢材と合板があります。
無垢材は床、壁、天井、家具、建具のどの部分にも使用します。
天然木に対するアレルギーと、防腐処理が施して無ければ長い歴史の中で実績のある材料です。
反り、狂い、割れ、収縮等の物性変化は当然有るので手入れは必要です。
合板は、突板(つきいた)を貼って化粧材として使用するものと、下地として仕上げ材を保持するものと、構造を支えるものがあります。
接着剤で積層された板材が合板ですから、接着剤の性能が問われます。
合板は、木材の持つ弱点を改善した製品ですが、長期にわたる有害物質の放散が問題になり、放散量の少ない合板やボードでF4☆の表示による低ホルムアルデヒド製品が安全とされています。
しかし、これとても室内空気の管理無くては過ごすことが出来ません。
フローリング床材は今、ほとんど合板ですから、選択の基準に健康被害の有無を加えることは有効です。
また、室内ドアや、巾木回り縁なども合板やパーティクルボードの使用が一般化していますので、表面の化粧が木材に見えても印刷物や突板の場合があります。これらの材料は接着剤が使用されていますので、放散量の規格を確認する必要があります。
施主が材料サンプルを見ることが出来るのは、工事期間中です。
この時点で健康被害の少ない材料を選ぶことが、オプションとなって増額工事になることがあります。
設計の時点で意思を伝えておくことが、行き違いやオプション工事になることを防ぎます。
出来上がってきた図面に材料や仕上げの方法が記載してあるか、設計者に再確認して自己防衛しましょう。
コルクの床は保温効果も高く、ワインの栓などに使用している実績はありますが、強度は少ない材料なので、採用する部屋の機能を考慮して決めましょう。
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