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欠陥住宅の事
 近頃マスコミで取り上げられている欠陥住宅は、居住者の安全を脅かすほどの手抜き工事も有り、ただあきれるばかりです。
 秋田県が第三セクター方式で分譲した住宅などは、敷地が軟弱地盤のため、水が床下に染み出て来る上に建物が傾斜し始めていました。加えて柱の継ぎ足しや、部材や部品の欠損まで有りました。腹立たしさを通り越して、本当にあきれてしまいます。
 しかし、私の様に設計に関わる者は、日ごろのマスコミ報道を大変複雑な思いで見ています。なぜならば、これらの問題になる住宅がすべて、商品として販売されている建て売り住宅だからです。
 住宅を完成品として購入すれば、仮住まいの煩わしさや、職人への気遣いは不要で、借入金の手続きも簡単です。しかし、私たち玄人が見ればそれらの欠陥は、すべて事前回避できた欠陥と思えますので、この事は、簡単な住宅購入の落とし穴といえます。受け取ってしまった欠陥住宅について保証を求めたり、訴訟を起したりする事は、覆水を盆に返す行為です。勝訴しても再度新築してくれるという事ではありませんから、住民の心の傷は癒されません。
 住宅建設で大切な事は、建設の工程に施主自身が関わる事です。そして、その期間中に質問や、相談、申し入れの出来る玄人を味方にする事が、建設の「安心」を手にする最良の方法です。建設会社はもちろん玄人ですから、信頼の出来る会社ならばどんどん相談をすれば良いのですが、施主の疑問に対する回答が、正しいのか、正直なのか、素人の施主には判断が難しいところです。したがって、建設会社と利害の関わらない第三者が、専門家の知識を以って、施主と共に着工から竣工までのすべてに関わる事が、正常な建設だと私は思います。
 実は、設計監理とは、上記の行為を指す言葉なのです。
 多くの人は設計事務所を、図面を描くだけの仕事と捉えていますが、設計監理料の内訳には、本来の設計料と共に、建物の品質や安全を確実にする料金が含まれているのです。
 監理する立場の設計士が施工者と利益を共有する、つまり、施工会社に設計も依頼する事は、たとえ悪質な業者でなくても客観性に欠けます。
 多くの建築主が設計監理料を余分な出費と考えて建て売りを購入し、建設会社と設計施工の契約を交わしていますが、設計料の無い建物は有りません。明文化されているか、いないかの違いだけです。
 欠陥住宅を受け取って、補修や保証、果ては訴訟などという事態になって、そこで支払う金銭や労力を考えるならば、我田引水になりますが、第三者機関の設計事務所に支払う設計監理料などは安いものです。
 住宅建設のプランはまず、設計事務所に相談するという事が、賢い消費者としての選択肢ではないでしょうか
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