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シックハウス症候群
定義 住宅などに入居することで起きる身体的疾患。現在シックスクール問題もおき始めている。
原因 住宅を構成する様々な建築材料及びハウスダストが有害物質となって放散し、
 適切な換気が不足で身体に影響を与えることから、 シックハウスシンドローム
(シックハウス症候群 )と呼ばれる。
経過 契機となったのは1973年のオイルショック後、欧米で原因不明のビル居住者の病気が多発、これをシックビル症候群として調べたところ、省エネルギー策でビルの換気を大幅に抑制したのが原因と分かったことによる。
その後、今から十数年前にエール大学の内科の医師が呼吸器の障害からマルチプル・ケミカル・センシティビティ(MCS)と紹介している。

この少し前にレイト・カランドルフ氏が化学物質の過敏反応のことをケミカル・センシティビティと呼んでいた。
この後にデンマークの工科大学のメルブ氏とファンガー氏のグループによってシックビルディング・シンドロームという言葉が報告されている。
注目されるものの中には冷却塔水で繁殖したレジオネラ菌がダクトを通じてビル内に拡散し、肺炎を起こす在郷軍人病があり、’76年にはアメリカのあるビルから35人の死者が出ている。
日本では歯科医師の上原裕之氏が1995年に、医院付き新居で悩まされていた症状にシックハウス症候群と命名したことが始まりである。
シックハウス症候群という用語は日本の家というものに対する症候群ということで、現在では各国で認知され、国内でも認知は高まっている。
症状の事例 咳、くしゃみ、のどの痛み、鼻水、喘息発作、耳鳴り、嘔吐、頭痛、めまい、涙目、
アトピー性皮膚炎、脅迫観念、不安神経症、血行不良、肩こり、腰痛、手足のしびれ、
と個人差で発症の状態や辛さもまちまちである。
原因物質

@   ガス状物質:CO、CO2、ホルムアルデヒド、有機化合物(含農薬)窒素、硫黄、酸化物、
オゾン、ラドンなど
A    無機粒子繊維状物質:ガラス繊維、アスベスト、重金属など。
B    有機粒子状物質:花粉、カビ、粉塵など。
C    微生物・細菌類:バクテリア、細菌、ウイルス、ダニなど。

上記の内容により、原因には化学的要因生物学的要因があることを認識すべきである。

建築材料中の
化学性有害物質と
特徴
@    ホルムアルデヒド(CH2O
合成樹脂、接着剤に含まれる。合板は接着剤を多量に使うため多く含まれる。
37%のホルムアルデヒドと9〜13%のメタノールを含む水溶液がホルマリンで、
防菌・防虫剤として広く使われている。

気管支喘息の患者が0.250.5ppmの暴露で激しい喘息の発作を起こすと言われている。
A    揮発性有機化合物(VOC)=Volatile Organic Compound
数百種類の脂肪族、芳香族の炭化水素、塩素炭化水素、各種ケトン類、
アルデヒド類などが含まれる。
1、常温で液体であり揮発しやすい
2、脂肪溶解性がある
3、引火性の強いものもある
軽度の場合は、興奮、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、中度で食欲減退,息切れ、
動悸、手足のしびれ、重度で死亡に至る。
B    総揮発性有機化合物(TVOC)=Total Volatile Organic Compound
「快適で健康的な住宅に関する検討会議」報告書(99年1月)によれば下記のとおり。
“複数の揮発性有機化合物の混合物濃度レベル”
健康への影響を直接的に評価するためには、個々の揮発性有機化合物(VOC上記解説)
についてガイドライン値を設定していく必要があるが、100種類以上に及ぶ微量の
揮発性有機化合物のすべてについて短期間で健康影響評価を行うのは困難であり、
またガイドライン値が設定されていない
物質に代替えされた結果、新たな健康被害を引き起こす恐れもあることから、
VOC汚染を全体として低減させ、快適な室内環境を実現するための補完的指標の
一つとして導入が望まれる。
C     農薬系防腐・防虫・シロアリ駆除剤
建築材の防虫・防蟻・防腐に使用される。畳、土台、床下土壌処理に用いられる。
農薬ではフェニトロチオン(商品名:スミチオン)やフェニチオン(商品名:バイジット)
などの有機リン系殺虫剤が主である。


建築業界の実態
1973年の第一次オイルショック以来の省エネ志向が住宅の気密化を促進し、
未熟な換気計画と従来の有毒物質保有建材があいまって顕在化した問題である。

建材の有毒物質の削減、計画換気の促進、自然共生住宅、住宅の伝統技法の見直しと
様々な論議が交わされてきた結果、シックハウスのための改正建築基準法が
平成15年7月
に施行された。
施行法パンフレット


相当隙間面積の基準値 1地域 2地域 3地域 4地域 5地域 6地域
cm2/u以下 cm2/u以下
換気量(換気回数) .5回/時以上


地域区分 都 道 府 県 暖房デグリーデー
1地域 北海道 4,000以上
2地域 青森 岩手 秋田 2,9004,000
3地域 宮城 山形 福島 茨城 栃木 群馬 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 滋賀  2,0002,900
4地域 埼玉 千葉 東京 神奈川 静岡 愛知 三重 京都 大阪 兵庫 和歌山 
鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 佐賀 長崎 熊本 
大分 
奈良 福岡
1,4002,000
5地域 宮崎 鹿児島 1,400未満
6地域 沖縄 新基準不明

冷房デグリーデー:日平均気温が24℃以上の日を冷房期間とし、この期間内の日平均気温と基準気温24℃との差を積分したものである。
冷房に要する熱量を見積もるための指数として用いられる。

暖房デグリーデー:日平均気温が10℃以下の日を暖房期間とし、この期間内の日平均気温と基準気温14℃との差を積分したものである。
暖房に要する熱量を見積もるための指数として用いられる。

長野県内は3地域とされているが、県内でも例外区分として大町市、塩尻市、波田町、山形村、朝日村、奈川村、安曇村、
梓川村、池田町、松川村など他合わせて70市町村が2地域と指定されている。


 

ホルムアルデヒド放出性能数値(合板)旧法規定
品目 基準値(単位:mg/l以下)
旧基準 新基準
Fc0 Fc1 Fc2 現行規定のPDFファイル
0.5 1.5 3.0 5.0
普通合板
構造用合板
コンクリート型枠用合板
特殊合板
難燃合板
防炎合板
構造用パネル
フローリング
集成材
構造用集成材
単板積層材(LVL)
構造用単板積層材(LVL)


揮発性有機化合物室内濃度指針値(有害13物質)
揮発性有機化合物 室内濃度指針値
ホルムアルデヒド 100μg/立米(0.08ppm)
トルエン 260μg/立米(0.07ppm)
キシレン 870μg/立米(0.20ppm)
パラジクロロベンゼン 240μg/立米(0.04ppm)
エチルベンゼン 3,800μg/立米(0.88ppm)
スチレン 220μg/立米(0.05ppm)
クロルピリホス

1μg/立米(0.07ppm)
ただし小児の場合は
0.1μg/立米(0.007ppm)

テトラデカン 330μg/立米(0.04ppm)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120μg/立米(7.60ppb)
フタル酸ジ-n-ブチル 220μg/立米(0.02ppm)
ダイアジノン 0.29μg/立米(0.02ppb)
アセトアルデヒド 48μg/立米(0.03ppm)
フェノブカルブ 33μg/立米(3.8ppb)
TVOC(暫定目標値) 400μg/立米

単位μg(ミューグラム=マイクログラム=100万分の1)

           

{用語解説}

熱損失係数(Q値)
断熱性能値として総合的に評価される値で、
外気温が1℃だけ室温より低いと仮定した場合、建物外部に逃げる1時間当たりの熱量合計を延べ床面積で除した数値。
数値が低いほど断熱性能が優れている。

Q値:熱損失係数(W/uK)u
次世代省エネルギー基準から、使用する熱量単位がkcal(キロカロリー)からW(ワット)に変わっている。
これは国際規格の統一の為に採用された単位で、
1W(ワット)は0.86kcal(キロカロリー)

ベイクアウト
建材中の有害物質を追い出すために室温を35℃以上に保ち、放散量を減らす方法。
この方法は必ず成功するとは言いがたい上に、費用と手間が掛かるので、過剰な期待は出来ない。

化学物質過敏症
「化学物質過敏症」とは、「特定の化学物質に接触し続けていると、あとでわずかなその化学物質に接触するだけで、頭痛などのいろいろの症状が出てくる状態」である。これはアメリカ・シカゴの開業医であるセロン・G・ランドルフ博士が命名したもので、日本国内では、北里大学医学部眼科石川教授、同 宮田教授らが問題提起している。
その原因は、「微量の化学物質の長期間における体内摂取により、体の耐性の限界を越えてしまったこと」としている。化学物質の曝露は、大気汚染や室内空気汚染、食品の残留農薬などであり、体の耐性の限界を越えることによって、その後は微量の化学物質に曝露するだけで過剰なほどに敏感となり、アレルギーに似た症状や、情緒不安、神経症、行動過多を引き起こす。環境ホルモンとは異なり、この症状は、動物が体調の異常を言葉で示すことができないため、動物実験で客観的に証明することが困難である。そのため、世界的にも「化学物質過敏症」の存在あるいは化学物質との関連を裏付ける証拠がないとされている。しかし、最近マスコミでも取り上げられているように、ある時期より急に、微量の化学物質に曝露するだけで、体調異常の症状を引き起こす人々が増えている。


住宅金融公庫のシックハウス問題への対応
適切な換気を行う室内環境に配慮した住宅の建設を支援するため、
換気設備の設置を行う住宅に対する割増融資を設けます。
{50万円/戸(基本融資額の金利)}


一定の換気性能を有する換気設備を設置する工事です。

換気設備設置工事
割増融資額 50万円/戸
次のすべての基準に適合することが必要です。
(基準の概要)
@ 連続運転によって全居住室における全般換気が可能な機械換気設備を設置する。
A 換気回数 0.3回/h以上(相当隙間面積2cm2/u以下の場合は0.4回/h以上)を確保する。
B 各居住室に給気口を設置する。
C 各居住室に排気口を設置するか、排気経路にアンダーカット、ガラリ等を設置する。

換気方式
   第一種換気:給排気を機械的に強制換気する方式。室内圧力を正・負どちらにもコントロールできる。
   第二種換気:機械的に強制吸気する方式。室内が正圧になる。
   第三種換気:機械的に強制排気する方式。室内が負圧になる。
   第四種換気:新しい換気方式で、自然換気である。@A地域では吸気があらかじめ過熱されるように配慮する。
   また、冬季の換気回数が0
.5回/時となるように計画する。
   B〜E地域では有効開口面積の合計が4cm2/u以上になるように自然吸気口を設置し、
   出来れば風量調整機能のある排気口を設置する。


シックハウス症候群の回避方法は、国の住宅気密化政策の指針が示されているため、換気を保証することに尽きる。
その上で保温と遮熱が次世代省エネ基準に合致することが肝要である。



住宅における室内空気汚染源
室内空気汚染の発生源 ( ★ は因果関係 )

       発生源 安定剤/鉛など重金属/ 難燃剤/有機化合物/ 可塑剤/有機化合物/ 溶剤/有機化合物/ 農薬類/有機化合物/ 抗菌剤/有機化合物/ 着色剤/有機化合物/ オゾン 電磁波 CO CO2 細菌 ダニ カビ 発泡剤/フロン/ ラドン 鉱物繊維 アスベスト 窒素/硫黄酸化物
内装仕上げ ・ビニールクロス                          
・合板                                  
・フローリング(合板)                                  
・化学系接着剤                                    
・化学系塗料                              
・パーティクルボード                                      
・カーペット                            
・畳                            
・カーテン                                
・塩ビ製品                            
・断熱材                                
建築設備 ・ガス、石油式開放型燃焼器具                                
・石炭式開放型燃焼器具                                
・コピー機                                    
・加湿器                                    
・電気機器                                    
・エアコン                                  
建築屋外 ・地中                                    
・スレート版                                    
・外壁吹き付け材                                    
・塗装材                              
・農薬、除草剤の散布                                    
居住者の活動 ・掃除機                                    
・洗剤                                       
・殺虫剤                                    
・喫煙                                  
・趣味、工作                                    
・人、動物の代謝                                  
健康障害 化学物質過敏症                          
アレルギー症状                                
中毒  急性                                
     慢性                                  
発ガン性                         
催奇形性                                 
生殖毒性                                  
遺伝毒性                                  

  
シックハウス症候群を回避する注意点
   @     有機溶剤の放散が規定値を下回る建材を使用する。
   A     適切な換気を行う。
   B     有機溶剤の放散が規定値を下回る家具類を設置する。
   C     防虫防カビ剤の使用を控える。
   D     ダニ、カビの発生個所を作らない。
   E     清掃の励行。
   F     軟質プラスチック製品を室内に持ち込まない。
   G     開放型ストーブの使用は避ける。
   H     添加物の多い食生活や、バランスの悪い食生活を避ける。

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