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シックハウス回避、高気密高断熱、外貼り断熱の問題点と対応策
シックハウス症候群関連法規が整った時点で、設計者にとって困った事態がありました。
平行して考えて行くべき耐震性と矛盾する状況が生まれたのです。
現在社会問題化している建築物の耐震性は大型建築の問題にとどまらず、住宅にとっても大きな問題です。
木造住宅では耐震保証の重要な要素として筋交い(すじかい)が有ります。
筋交いは構造を補強しますが、使用箇所に開口部(窓や出入り口)は設けられません。
開放的な住宅では窓数も多く、開口部以外の壁で耐震保証を充足する必要に迫られます。
しかし、筋交いをどんなに頑丈に設置しても、法律では筋交い単独の構造耐力の上限が定められ、耐震性能として充分な壁が確保できないことがあります。
筋交いで充足出来ない場合、従来、構造用合板という壁の下地材になるパネルを貼る事で筋交いだけでは足りない耐震壁の数値を上げることが出来ました。
現在でも構造用合板は使われていますが、高気密高断熱工法のかなめである外貼り断熱を採用した場合、構造用合板が室内側に貼られ、構造用合板の抱える有害物質は外壁の問題ではなく、室内に影響を与える物として考慮する必要に迫られます。
もちろん室内側には室内用の仕上げ壁もあり、構造用合板が見えることはありません。
しかし、スイッチパネルやコンセントの穴は壁の中の空気と室内の空気の連絡通路になってしまうため、外側から貼り付けてある合板が室内側仕上げ材料のような環境形成をしてしまいます。
法規やトレンドが、外壁と考えられていた材料を室内に影響を及ぼす物に変質させたのです。
もちろん、コンセントなどへの気密充填剤やフィルム等で遮断する方法も以前からありました。
しかし、施工精度や工事業者の施工姿勢に寄りかかる施工よりは、平易な安全作が良いという理由から、外貼り断熱工法は現行法規の中で多く採用されているのです。
そこで、健康に安全で、構造を保証する新たな面材が必要となったのです。
それが下のイラストの
「ケナボードS」です。
ケナフという6ヶ月で成長する「草」の繊維を固めてボード化することで、木材を使用しない再生サイクルの短いエコ商品として開発され、ホルムアルデヒドの発生を抑え、国土交通省認定の
F☆☆☆☆を取得し、壁倍率2.8倍の製品です。
筋交いの
2.0倍と合わせて4.8倍は、5.0を上限とする国の定めた基準に近く、耐震壁として信頼できます。
安全は、健康と耐震の両輪が充足されてこその安全です。
省エネと耐震性の保証のため、小さな窓で造られてきた近年の住宅も、一つの建築材料の誕生によって、従来の日本人が好んだ「環境と共生」する開放的な住宅に戻れる選択肢の巾を広げてくれたことになります。
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