ストラバイト完防には運動第一!(1/2)


ストラバイトは走れば溶ける! 走れ走れ ランランラン♪〈犬の巻〉

ストラバイトはジャンプで溶ける! 跳んで跳んで ピョ〜ンピョン♪〈猫の巻〉

ストラバイトアルカリ性の尿に析出したキラキラ光って見える砂粒状の結晶)を
溶かすのは簡単至極。尿を一過性に弱酸性(pH6.4±0.2)以下に下げるだけ!
それには 1に
運動、2に肉食(野菜・果物厳禁)、呆気ないほど簡単なんです。
事実に勝る権威なし!   反論・疑問は後回し!   理論なんぞは学者の仕事!
先ず、お試しあれ!
(ただし、老犬・老猫や臓器不全などの病弱個体を除く)。
 

 


 はじめに 書名失敗 お詫びします

 世界で唯一の簡便な特許pHスティックと「ストラバイトの運動療法」を発明したDr.中島健次(獣医師)です。
 拙著『出てますか?弱酸性尿』に、尿pHは目まぐるしく変化するのが正常と明記しておきました。にもかかわらず、尿を弱酸性に維持しなければいけない、と頑張る飼い主様が少なくないようです。もしも、本屋で拙著の書名だけご覧になって誤解されたのなら、スミマセン。
 犬や猫がアルカリ性の尿を出し続けているとき、いきなり目まぐるしく上昇・下降するように改善するなんて、かなり無理な話です。せめてストラバイトが溶ける弱酸性の尿を、毎日一度くらいは出るようにしましょうよ、という意味での書名でした。
 舌足らずのため余計な誤解を招いてしまい、誠に申し訳なく、伏してお詫び申し上げます。

 ただし、標語『毎日一度は出しましょう! 弱酸性尿を出しましょう!』は間違っておりません。毎日一度でもpH6.6以下の弱酸性〜酸性尿が出てくれれば、ストラバイトの恐怖から確実に逃げ切ることができます。尿を一過性に酸性化する最善手段が運動です。
 五つ子の猫から入手した尿のpHデータ(4日間)を、折れ線グラフで示しておきました。
運動の効果(尿pH低下)が一目瞭然で分かりますので、ぜひ御覧になってみてください。

 「毎朝毎夕30分ほど、自転車に乗って愛犬を走らせ続けている。それなのにストラバイトが出てきた。運動療法なんてインチキじゃないのか?」
 四の五の文句を言う前に、運動によって尿pHが低下することを必ず自分で確認してください。低下していなければ運動不足です。シェパードなどの大型犬にとって、ゆっくりと自転車で伴走するのは運動になってないかもしれません。人影のない場所に来たら、猛スピードでペダルを漕いだり、リードを外して全力疾走させるなど運動量アップの工夫が望まれます。

 その工夫が奏効しているかどうか。ご自分で我が子(犬・猫)の運動中や運動後の尿pHをチェックしていただければ、たちどころに分かります。尿pHは目まぐるしく変化していますから、運動効果を動物病院でチェックしてもらおうとするのはナンセンス極まりなし。
 運動によって自分や我が子(犬・猫)の尿pHが低下することを、ぜひご自分の目で確認してください。それをしないで頭ごなしに運動療法を否定するのは、非科学的です。
 

 

 

 
ストラバイト完防は飼い主さんの役目
〔完治(完全治癒)と並んで
完防(完全予防)というコトバがあっても良いのでは?〕

 主治医の診療方針が最優先されるのはもちろんですが、飼い主さんたちの自主的判断が望まれる場面も少なくありません。治療は主治医の仕事、予防は飼い主さんの責任です。
 治療よりも予防が大切なことは、私が言い始めたんじゃありません。かつて帝国陸軍で軍馬・軍犬・軍鳩などを管掌していた獣医将校の基本理念でした(ひじや先生ご参照)。

 また、ニンゲンの医療について、自分の体の具合を一番良く分かっているのは自分なのだから、「最良の主治医は自分」という箴言があります。
 それをマネれば、我が子(犬・猫)の健康の具合を一番良く分かっているのは飼い主さんなのだから、
「我が子(犬・猫)の最良の主治医は飼い主さん」 ということになりましょう。

 既発行(2006/03/13)の「ストラバイトが室内暮らしのペットに多発する理由」と重複するところが多く、いささか気が引けるものの、もう一度、しつこく私見を述べさせていただきます。
 いつの時代にも「大本営発表」を盲信する人々が多いようですが、咎める資格など私にはありゃしりません。私だって、神州不滅・鬼畜米英を盲信させられていた一人だからです。

 しかし、いつまでも間違った大本営発表に惑わされ続けてはなりますまい。一番ひどいのが尿のpHの正常値に関する定説です。権威ある専門書などに「尿pHの正常値は弱酸性」と書いてあっても、どうか我が子の尿pHを弱酸性に維持しようなどと変な努力をなさらないでください。事実に勝るものなし。権威ある定説よりも事実の方が大切です。ヒトもイヌもネコも、健康ならば尿pHは絶えず目まぐるしく変化するのが正常な姿です。

 もう一つ大きな誤解が尿の結晶です。体内に溜まった不要物質を腎臓で濾過して体外へ捨てる際、それが尿中で析出して微小な結晶になっただけのこと。ごく普通の生理現象にすぎません。しかも、結晶は尿と一緒に体外へ排出されてしまうのだから、無害です。

 尿中に出現する結晶はいろいろあるけれど、三重燐酸結晶と呼ばれるものは、骨組織から溶け出した燐酸塩類(燐酸アンモニウムマグネシウム)が原料です。不要物質として腎臓で濾過された燐酸塩類が尿に混ざったとき、その尿のpHが中性〜アルカリ性になると、尿の中で「析出」という化学現象が起こって結晶化したものです。
 尿に結晶が出るのは普通の生理現象にすぎず、病気なんかじゃありません。三重燐酸結晶の出た尿が膀胱内で酸性になれば溶けてしまうし、溶けなくても尿と一緒に体外へ出てしまうのだから心配無用です。

 問題なのは結晶が出ることでなく、尿のpHがアルカリ性になったまま低下しないことです。毎日一度でもpH6.6以下の弱酸性〜酸性の尿が出れば三重燐酸結晶は溶けて消えるのですが、@運動不足、A野菜・果物、B電磁波、C可愛がりすぎ(交感神経弛緩)などの原因によって、尿がアルカリ性のまま長時間持続してしまいます。
 すると、顕微鏡でなければ見えなかった微小な三重燐酸結晶が、肉眼で砂粒状に見えるほど大きな結晶に発達してしまいます。これがストラバイト(尿晶と呼ばれるものです。
 また、いわゆる膀胱炎と診断されがちな
膀胱炎モドキも、アルカリ性の尿が膀胱内に停滞することが原因になっているものと思われれます。

 三重燐酸結晶が酸で溶けるのと同様、砂粒大のストラバイトも酸に溶けます。また、水晶などの結晶はX線を透過するので、X線フィルム(レントゲン写真)に写らない。それと同様、ストラバイトもX線で検出することができません。
 ところが、アルカリ性の尿が膀胱や尿道内に溜まったまま酸性化しなければ、ストラバイトの周囲にカルシウムなど他の尿成分が結合してしまいます。そうなるとX線写真に写る本物の結石になり(ストラバイト由来の結石)、もはや酸では溶けなくなってしまいます。
 

 

 


廃用性萎縮の原則
(使われなくなった器官は退化して萎縮する)

 安全で快適な室内に暮らしている犬や猫たちは、“幸せ” であるのかもしれません。でも、禍福あざなえる縄の如し。幸せすぎる生活が原因で、オシッコの出なくなる尿閉に苦しめられがちです。処置が遅れれば、尿毒症で数日以内に死んでしまいます。特に再発しやすいのが♂猫で、再発防止のためペニス切断に至る場合が少なくありません。

 尿閉(尿道閉鎖)を起こす原因の中で、圧倒的に多いのがストラバイトです。尿閉の前兆現象として、オシッコの中にキラキラ光る砂粒状の小さな固形物が見えるようになるはずなんですが、気付かずに見過ごしてしまった飼い主さんが多いのではないでしょうか?
(見逃したからとて、誰も責められません。そんなものが出るなんて、知らなくて当然です)

 今の小学校教育がどうなっているのか知りませんが、昔、私が子供の頃、「肥料三要素」として窒素・燐酸・カリウムを、また燐酸肥料として最良のものが骨粉であると教わりました。骨組織の中には、燐酸カルシウムや燐酸マグネシウムなどの燐酸塩類が豊富に含まれているからです。その骨成分が何かの拍子に溶け出すと、血管を通って腎臓で濾過され、尿の中でストラバイトになる。その何かの拍子とは何か?

 私が勝手に推察するところ、たぶん「廃用性萎縮の原則」に基づくためなんだろうと思います。冷暖房完備の快適で安全な室内に、のんびりと寝そべってばかりいる。そのため、敵と戦ったり獲物を捕ったりするのに不可欠だった四肢の頑丈な筋骨が、無用の長物となる。
 それで原則どおりに骨が痩せ、不要となった骨成分(燐酸塩類やカルシウムなど)が流れ出して血管に入り、腎臓で濾過される。それ故、尿に燐酸塩類やカルシウムが豊富に含まれる…、のではないかと考えております。

 カルシウムが豊富に含まれる尿はアルカリ性になる。そこへ骨由来の燐酸塩類が加わることによって、微小な三重燐酸結晶が析出する。さらに、アルカリ性の状態が長引いた尿の中で、微小な三重燐酸結晶が肉眼可視大のストラバイトに発達する。さらに、砂粒状のストラバイトの周囲にカルシウムなどの尿成分が結合し、酸に溶けない本物の結石(ストラバイト由来の結石)になってしまう…、のではなかろうか? <ぜひとも自分で実験して確認したいのですが、残念ながら実験手段を持たない隠居老人には不可能です>
 

 

 


「ストラバイトの運動療法」は Dr.中島健次の発明です

 ペットの尿閉の原因として、尿に出てくる肉眼可視大の固形物を最初に気付いたのが誰なのか、不勉強な私は知りません。たぶん、ヨーロッパの獣医師だったのではなかろうかと私は推察しています。彼(彼女?)は一目見て、当時のカニ缶やサケ缶などの中に出てくるガラス状の結晶(struvite)と形がそっくりだ、成分も同じ燐酸アンモニウム・マグネシウムだ。
 というわけで、砂粒状の固形物は微小な三重燐酸結晶が尿中で巨大化したもの。だから、結石ではなく
尿晶(ストラバイト)と呼ぶことにしよう、と言い出したのだと思われます。

 缶詰のストラバイトは胃酸で溶けることが分かり、現在はカニ缶やサケ缶の中にクエン酸などを加えて弱酸性にすることにより、ストラバイト形成が防がれているそうです。
 それと同様、犬や猫の尿道を塞ぐ
ストラバイトも間違いなく酸に溶けます。もしも、地面やシートの上に流れた我が子のオシッコの中にキラキラ光る砂粒状の固形物が見つかったら、キッチンから酢を持ってきて粒々の上にかけてみましょう。

 粒々の大きさや気温などによって影響されますが、数10分以内に跡形もなく溶けて消えているはずです。もしも、固形物が箸やピンセットで摘まめるほど大きければ、皿の上に載せてから酢をかけてください。溶けてなくなる過程を、つぶさに観察できるはずです。
(酢をかけても溶けず、X線写真に写れば、それは結石です。尿晶の周りにカルシウムなど他の尿成分が結合してしまったか、あるいは蓚酸カルシウムなど別の成分に由来する結石ですので、もはや素人の手に負えません。動物病院を頼っていただくことになります)

 我が子の尿の中にキラキラ光る粒々があった。ヤバイ。でも。それらは酢に溶けた!
酢に溶けることが確認できたら、もう安心です。あれこれ慌てふためく必要はありません。
 @緊急処置として、とりあえず尿pHを弱酸性以下に低下させること。
 A根本対策として、尿pHが目まぐるしく変化するように生活習慣を改善すること。

 尿pHの低下なんて実に簡単、1に運動、2に肉食オンリー(酸性食品)です。
 運動すれば尿のpHが低下する。こんな些細な発見でも、新療法の発明につながります。運動不足気味の犬や猫に運動を強制し、尿を酸性化することによってストラバイトの出現を防ぐ。それによって膀胱結石や尿閉を予防する。獣医療の分野で、たいへん役に立つ新療法だと思います。

 この新療法の発明者は誰か。獣医療先進国の欧米から、いち早く新知見や新療法を日本に紹介するのが役目の学者先生たちは、どなたも私の言動を咎めていません。
 ということは、どうやら私が世界初の発明者になるようです(間違っていたらスミマセン)。よしんば、運動=尿pH低下の現象が既知であったとしても、その現象に着目してストラバイト防止のための運動療法を創始したのは、Dr.中島健次であること間違いなし。この発明のきっかけとなった些細な発見は、以下のようにして得られました。
 

 

 


クエン酸の自我流乱用は危険
 
(Dr.中島健次著『出てますか?弱酸性尿』文芸社、2005年12月出版、p70〜72から転載)

・・前略(2002/11/21実験開始)・・「5日目、今日もダメかと半ばあきらめつつ、朝食後に3カプセル、昼食後に3カプセル、夕食後に4カプセル、合計10グラムのクエン酸を服用したところ、午後7時4分、突然、猛烈な下痢に襲われながらpH6.2の弱酸性尿が出てきました。続けて9時15分にも、激しいピーピー下痢に伴って、何とpH6.8の弱酸性尿が出てくれました」
 「万歳! 毎朝毎晩、来る日も来る日もpH5.6以下の赤く染まったpH試験紙しか見てこなかった私にとって、自分の尿がpH試験紙を黄色っぽく発色させたのは初めての体験です。感激、感動、大興奮。ああまだオレの肝臓や腎臓は壊れがかっていないらしい。今まで経験したことがないほどの激しい下痢と腹痛に苦しみながらも、ホッと安心の溜息が漏れました」
 「ところが、6日目の朝一番尿がpH6.8だったのです(pH5.8前後が望ましい)。怠けて夜間の尿pHを測定しなかったのですが、恐らく一晩中pH6.8の状態が持続したのではないかと思われます。そこで、この日はクエン酸の摂取を中止したのですが、どうしてなのか尿pHの上昇が止まりません。そして、午後7時半に、pH7.8という私にとっては驚天動地の凄まじいアルカリ性の尿が出てしまいました」
 「全く予想もしなかった異常事態に慌ておののくのみ。豚カツ(肉が酸性食品)やアンパン(小麦粉と砂糖が酸性食品)を食べても、アルカリ状態の尿pHに変化なし。このままでは室内暮らしの犬や猫たちと同じに、ストラバイトが出て尿閉になってしまうかもしれない。どうしよう。どうしよう。心配でなかなか寝付けなかったのですが、いつのまにか眠ってしまいました」
 「7日目の朝、丸一日クエン酸を摂取していなかったにもかかわらず、朝一番尿はpH7.0の中性でした。これではストラバイト形成の危険ラインです。一刻も早くpH6.6以下の安全圏内に下げなければならない。どうしよう。どうしたら良いのだろう?」
 「良案が思い浮かばないまま、夜明けを待たずに日課の早朝ジョギングに出発。往復8Kmを快調にゆっくりと完走し、帰宅後いつものようにシャワーに入る前、トイレで尿pHを測定したところ、何とまあ見事にpH5.4の酸性に下がっていてくれたのです。万歳バンザーイ!」

 「一時期、尿pHアップの有効手段として本気でクエン酸を推奨していたこともありましたが、以上のような実体験がありますので、前言撤回。今は、クエン酸の大量摂取が危険だから、お止めになられた方が無難です、と申し上げている次第です。もっとも、失敗は失敗として、私の方は転んでもタダでは起きません。ピカッとひらめきました」
 『そうだっ! 尿のアルカリ状態が持続している犬や猫も、走らせれば効くに違いない!
 乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まるほど運動させれば、それらが腎臓で濾過されて
 尿に入る。だから必ず、オレと同じように酸性の尿が出てくるようになるはずだっ!』
 「コロンブスの卵みたいな話で、言われてみれば当たり前のこと。ごくごく普通の陳腐な運動療法にすぎません。でも、たちまちpHスティックご利用の飼い主様たちに実験され、効果を認証され、今や知る人ぞ知る。ストラバイト対策の最有力手段として定着しつつあります」
 

 

 


老獣医師の切なる願い: 「ストラバイト」を死語にせん!

 走るなどの運動をすれば、必ず尿pHが低下する。この事実に気付いたことが発見です。
そして、
発見は発明に変換する。すなわち、アルカリ性の尿が出続けている犬を走らせたり、猫をジャンプさせたりして四肢を活発に動かすことにより、骨組織からカルシウムや燐酸塩類などが流出しないようにすると共に、尿pHを一時的に酸性化する。それによって、
 〔第1段階〕 尿中に燐酸塩類が含まれていても、
三重燐酸結晶の析出を防止する
 〔第2段階〕 三重燐酸結晶が析出しても、
ストラバイト(尿晶)に発達するのを防止する
 〔第3段階〕 ストラバイト(尿晶)が出ても、これを溶かすことによって
ストラバイトの結石化を防止すると共に、尿道閉鎖をも確実に防止する

 このように三つの大きな効果をもたらす「ストラバイトの運動療法」は、立派な発明となります。特許庁に方法特許として出願すれば、間違いなく特許されたことでしょう。そうなれば、
ストラバイト対策として犬や猫を運動させるたんびに、何がしかの特許使用料を私に払っていただかねばなりません。でも、それは余りにも非現実的すぎます。
 それ故、私の発明した運動療法は特許を出願しませんでした。したがって、どなたも自由に実行することができます。これによって、ストラバイト由来の尿閉に苦しむ犬や猫が若干なりとも減少してくれれば、隠居した老獣医師にとって、こんな嬉しいことはございません。
 

 


ほんの3ヶ月前に日本獣医師会(東京支部)から感謝状をもらったばかりなのに、
今度は関東・東京地区連合会が永年の功績を表彰してくれました。私が発明した
「ストラバイトの運動療法」が獣医業界の為になることを公式に認知されたものと
理解し、喜んで賞状と記念品(銀座・天賞堂の目覚し時計)を頂戴した次第です。

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