茹で野菜 厳禁!

蓚酸カルシウム結石を予防する唯一無二の最善手段です

無知の鞭もて我が子を追い詰め、膀胱切開・陰茎切除。それでも止めない茹で野菜


 若者たちの国語力が著しく劣化し、われわれ世代にとって何でもない普通の文章が読めないという。でも、若者たちの不勉強を詰(なじ)るまい。かつて自分が若かりしとき、祖父母らの漢文調で古臭く難解な文章をバカにし、読もうとしなかったことへのシッペ返しなのだろう。
また、日本獣医師会の会員である私は、獣医師仲間や飼料メーカーなど関係者たちの悪口を避けねばならず、かなり遠慮しながら書いております。行間を読み、裏の本意を探ってください。それの助けになりますよう、このページの大切な「骨子」を先に書いておきます。

●外に出た犬や猫は野草を食べたがるが、食べても蓚酸カルシウム結石ができない。
○何故なら、生の草に含まれているのが有機蓚酸で、消化管を素通りしてしまうからである。
●しかし、野菜を煮たり焼いたりすると、有機蓚酸が無機蓚酸に変わって消化管から吸収さ
 れ、血液中の不要物質として腎臓で濾過される。

○このとき、なんらかの事情でカルシウムが尿中に溶けていると、両者が結合して蓚酸カル
 シウムの結晶が析出する。結晶の大半は尿と一緒に体外へ捨てられるのだが、膀胱内に
 残存して大きな蓚酸カルシウム結石になってしまう場合が少なくない。
●野菜だけでなく、果物や豆類(大豆を加熱した豆腐や納豆、小豆を茹でた餡子など)も
 蓚酸カルシウム結石の原料となる。味噌や醤油も要注意かもしれないが、未確認。

★ホーレン草や枝豆など蓚酸含有量が多い野菜でも、茹でれば大半の蓚酸が溶けてなくな
 るから安全だ、という説もある。異論乱立は世のならい。何を信じようと飼い主さんの自由
 です。大丈夫だと思うなら、勝手にどうぞ。       
(2007/09/15 Dr.中島健次追記)
 

 


 ストラバイト関係のブログを拝見して2番目に驚いたのは、茹でたキャベツやブロッコリー、豆腐や納豆(枝豆と同様に加熱工程あり)などが無頓着に食べさせられていることです。

 拙宅の亡き柴犬デンは山道などで雑草を食べては、ゲーッゲーと吐き出していました。胃液にまみれた葉っぱを見ると、食いちぎられて丸呑みされていただけです。たまに糞の中に固く丸まった葉っぱが出てきましたが、たぶん全く消化されてないのではないかと思われました(わざわざ広げて調べたことはないけれど…)。

 我が子の口を開け、歯を見てください。葉っぱや穀物を磨りつぶすための臼歯は一本もなく、完全に肉食動物の歯型です。A群(肉なし野菜だけ)、B群(野菜なし肉だけ)、C群(肉+野菜)の成長・生存経過を比較観察してみたい。たぶん、B>Cの順だと推察されますが、Aは餓死するので実験は許されますまい。茹で野菜がイケナイのは、下記の理由からです。
 

 

 


 「散歩の途中でイヌが野草を食べ、ネコが庭におりて芝生などを食べるのは、『生理的要求を満たすための本能である。故に、肉食だけではダメで、バランスよく菜食を採り入れてあげなければいけない』、という意見は正論のように見えて実は非常に不親切です。
 何故なら、元々は肉食動物のイヌやネコに野菜・穀物などを消化する能力があるか否かの議論はさておき、菜食させるなら生野菜に限ると明確に指定しておく必要があるからです。

 どうしてかと言うと、生の野菜と加熱した野菜は全く別物だからです。すなわち、生の野菜や野草には有機蓚酸が豊富に含まれています。この有機蓚酸は消化力を高める効果があるので、食欲を刺激して元気を回復したいイヌやネコが本能的に摂取するのだろうと言われてます。また、有機蓚酸は動物の消化管から吸収されず、糞と一緒に排泄されてしまうと言われてます。それなのに、優しい飼い主さんたちは、生野菜よりも加熱調理した野菜の方がおいしいに違いないと勝手に思い、安易に加熱野菜を食べさせているのではないでしょうか?

 ところが、加熱した野菜にふくまれる蓚酸は、もはや動物に無害な有機蓚酸ではないのです。加熱によって無機蓚酸に変性するため、腸管から吸収されて血流に乗り、腎臓で濾過されて尿に混じります。このとき尿の中にカルシウムが含まれていると、無機蓚酸に結合して蓚酸カルシウムの結晶が作られます。そして、毎日毎晩、無機蓚酸の摂取が続くと、蓚酸カルシウムの結晶どうしが固まり、これにいろんな尿成分が結合して大きな膀胱結石になってしまうのです。
 ですから、我が子(イヌ・ネコ)に野菜を食べさせる必要はない。どうしても食べさせたければ生野菜に限るべし、と細かく説明しておかなければ不親切ということになるわけで
す」
               (Dr.中島健次著『出てますか?弱酸性尿』p168〜169から転載)

 茹で野菜厳禁!を提唱する私に対抗し、「野菜は茹でれば安心だ。茹でれば蓚酸が溶けて無くなる。蓚酸カルシウム結石の原因にはならない」と主張するブログがありました。
 そりゃあ多少は、加熱の際に無機蓚酸が溶けるのかもしれない。が、はたして完全に溶けてなくなるのかどうか。実験データが欲しいところです(隠居の私には実験場所がない)。
 異論乱立、
群盲撫象、大いに結構。茹で野菜安全説を信じるのも信じないのも、あなたの勝手です。制止する資格など私にはございません。でも、信用できるのは事実のみ。
 茹で野菜を食べさせたからと言って、全部が全部100%確実に蓚酸カルシウム結石になるとは限らない。だが、「
今まで茹で野菜を食べさせたことは絶対にない、それなのに蓚酸カルシウム結石ができた」という話を私は聞いたことがありません。もしも、自分がそれを経験したという飼い主様がおられましたら、ぜひ体験談をお寄せいただきたく、お願い申し上げます。
 ただし、ペット用缶詰は要注意です。茹で野菜が混入しているかもしれません。かつて、下記のとおり、ウソのようなホントの話がありました。2007/08/25 Dr.中島健次追記

 

 

 


 獣医師会の年次総会や学会、学術講演会などで普通に見かける光景ですが、老眼で縫合針に糸を通せなくなったり、酒毒が手に回って指が震えたりする老院長たちは、ロビーや廊下の片隅に群がって今宵の宴会の相談に余念なし(会場に入りさえれば臨床医レベルアップ教育の履修単位をもらえる)。そこに行けば昔の同級生に会えるので、酒が飲めない私も仲間に入れてもらいます。そこでは様々なウワサや裏話が飛び交います。
 その一つに、「あそこの缶詰を食った犬や猫はイチコロだ、3ヶ月で
ができる」というウワサを聞きました。まだ拙宅の柴犬デンが元気な頃の話です。気になったので「あそこ」とはどこのメーカーなのか教えてもらいました。エッ、ウソだろう! 周囲を見回すと、皆さんニヤニヤしていて誰も否定しない。どうやら臨床医たちの間では、周知の有名な話だったらしい。

 ビックリしたのも当然、現にウチの柴犬に常用していたからです。量販店で一番安価だった。毎日、缶詰1個+人間の食べ残し(飯、肉、魚など)を喜んで食べていました。すでに5年ほど常用しているから、もうすでに尿結石(ストラバイト由来の結石or蓚酸Ca結石)ができてしまったかもしれない。いったい、この缶詰の何がイケナイのだろう?
 茶色っぽい餌からは、食欲をそそる肉の匂いが漂ってきます。当時、ペットフードの原料表示は義務化されてませんでした。缶詰製造工程中に高温で加熱されたイルカだか廃用乳牛だかの肉に、増量材としてニンジンとグリーンピース、それにスイカの皮を刻んだような正体不明の物体が入っているだけ。
 これらのどこがイケナイのか。何も分からぬまま、気味が悪いので別のメーカーの缶詰に切り替えました。その6・7年後、柴犬デンは一度も動物病院の世話になることなく老衰し、穏やかに死にました(享年14歳半)。
 後年、特許pHスティックの通販を開始し、犬や猫の飼い主様たちと盛んにメールのやり取りをするようになってから、昔の「あそこ」を思い出しました。3ヶ月で尿結石ができたというウワサが事実なら、たぶん増量材のせいに違いない。イルカか何かの肉が犬や猫の体内で酸を産生する。その酸を凌駕し得るアルカリ性食品として、缶詰製造工程で加熱された野菜や果皮、豆粉などが大量に混ぜられていたのだろう。
 そのため、尿がアルカリ性になったまま低下しないのでストラバイト(尿晶)が出てしまい、さらにカルシウムなどの尿成分が周囲に結合して「ストラバイト由来の尿結石」ができてしまったのではなかろうか。
 あるいは、加熱された植物に含まれている無機蓚酸を、連日毎食、摂取し続けたことにより、百発百中の確率で蓚酸カルシウム結石が膀胱内に形成されてしまったのだろうか。

 しかし、運動充分だった亡きデンには血尿もストラバイト(尿晶)も無縁でした。察するに、尿結石ができたのは運動不足の犬・猫だけだったのではなかろうか。当時の日本では、都市部をちょっと離れたら犬は繋がず放し飼い、猫は窓から外出自由。室内に閉じ込められて暮らす犬・猫が珍しかった。そのため、おぞましき造石缶詰は獣医師仲間でのウワサに留まり、テレビや週刊誌などで騒がれなかったのだろうと思われます。
 問題になった「あそこ」のフードメーカーは、今も健在。当時と同じ商品名のコマーシャルを年がら年中、テレビで見せられています。恐らく、獣医師仲間のウワサを察知し、素早く缶詰内容を変更したんでしょうね。
 変に正義感に駆られて指弾などしていたら、足をすくわれ恥をかき、名誉毀損・営業妨害・賠償請求などと告訴されていたかもしれない。ひと様の製品を良いの悪いのと批評しない方が無難だという教訓を、改めて痛感した次第です。こういう隠れた事例を知っているからこそ、隠居の分際でありながら、声を大にして「
茹で野菜厳禁!」を唱えることができるのです。
 

 

 


 前記臨床獣医師の仲間内で、もう一つ別のウワサが密かに囁かれていました。奇妙にも、蓚酸カルシウムの膀胱結石が目立つ。どうやら○○の連用が関係しているらしいとのこと。
 そもそも、鍾乳洞など石灰岩を透過した水は、カルシウムが豊富なため強アルカリ性になります。それをヒントにした逆転の発想で、犬や猫の尿にカルシウムが少なければ、pHは酸性になるはずだ。それにはカルシウム含有量の少ない餌を食べさせれば良いはずだ、と考えたのが欧米の誰なのか私は知りません。
 ストラバイト(尿晶)が出た犬や猫に、低カルシウムを特徴とする○○を食べさせ続ける。やがて、食後の尿が酸性化し、血尿が治り、三重燐酸結晶もストラバイトも溶けて消える。
ああ効いてくれた、良かった、バンザイ。飼い主さんも主治医もホッと安心します。
 その時点で止めておけば問題ないのに、高価な○○を残すのはもったいないとか、再発するのが心配だからとの理由で、さらに○○を食べさせ続ける飼い主さんが少なくないらしい。すると、突然、我が子の尿がpH5.0近くまでストンと急降下してしまう。この変化が、蓚酸カルシウムによる膀胱結石形成の危険信号なんだそうです。

 何故そうなるのか、老院長たちに聞いてみました。長期連用で○○が効き過ぎると、動物の体内でカルシウムが不足し、尿の中にカルシウムが出なくなるのではなかろうか。それで尿pHが急降下するのではなかろうか、とのこと。ま、それはそうかもしれない。でも、そんなことは誰でも想像できる。そうじゃなくて、尿pHが急降下することと蓚酸カルシウム結石との因果関係は?
 残念ながら返答なし。うかつなことは喋れないのか。本当に何もご存知ないのか。かくなる上は、しょうがない。私が自分で考えるしかない。でも、いくら考えても○○と蓚酸が結び付きません。結局、辿り着いた結論は単純明快。蓚酸は○○と関係ない。別のところから由来しているに違いない。
 それは何か? たぶん、蓚酸たっぷりの茹で野菜ではなかろうか?
 そこで、私の推察の正否を確かめるため、片っ端から訊ね回りました。特許pHスティックご利用の飼い主様の中から、○○に関係するメールをくださった方々お一人お一人に、「茹で野菜を食べさせておられませんか?」と質問させていただいたのです。
 

 

 


 特許pHスティックご利用の飼い主様から寄せられた○○関係の相談は、たとえば次のようなものです(下記メール発信者は、尿pHが目まぐるしく変化してこそ正常という事実を肯定できず弱酸性維持に固執、いったん頭に染み付いた固定観念を覆すのは極めて難しい)。

 「3年程前に膀胱結石で手術したパピヨンの雄を飼っています。手術以来、食事を○○などに変え、毎月一回動物病院で尿検査を行い、pHも安定した値を保っていました。しかし、
3年たった今、再び血尿が出てしまい、抗生剤でも治らず、レントゲンを撮ったら膀胱と左右両方の腎臓に結石が写っていました。最適なpHを保っていただけに、何が原因か分からず悩んでいます。確かに水を飲む量は少ないのですが…」

 30人以上の飼い主さんたちに質問させていただき、全員からご回答いただきました。どんピシャリ、見事的中。お一人の例外もなく、皆さん良かれと信じて、我が子に茹で野菜を与え続けておられたのです。これで確信を抱き、2004年3月以降、○○関連のメールをいただくと、私は次のように返信しております。

 「中島先生 はじめまして。マルチーズ♀2歳の愛犬が膀胱炎になったのですが、出血等の症状がひどくなり、病院で調べてもらったらアルカリ尿(pH8)とわかり、潜血が出ているので○○と抗生剤で治療しました。先日の尿検査ではpH6に下がっていましたが、院長先生から○○は続けるようにと言われました。でも、pHの下がりすぎも怖いと言われましたので、自分で尿検査をするためpHスティックを購入します」

 「ご愛犬の尿のpH検査のためにR型スティックを1袋、ご発注くださいまして誠にありがとうございました。もしかして、ご愛犬は野菜や果物が好きなのではないですか?
 そうであるなら、今日から早速、運動励行+肉食オンリー(野菜・果物厳禁)を試してみられますよう、お勧め申し上げます。敬具 Dr.中島健次拝」

 「ご返信ありがとうございました。我が家の愛犬は、おっしゃるとおり野菜や果物が大好きです。特に茹でたブロッコリーには目がないです。膀胱炎と何か関係があるのでしょうか?」
 

 

 

 
 そもそも、蓚酸カルシウム結石は尿のpHに関係なく、酸性でもアルカリ性でも形成されると教科書に書かれています。それなのに何故、尿をpH6.4前後の弱酸性にする輸入○○食を連用していると、突然、ストンと尿がpH5.6以下に酸性化してしまい、それが膀胱などに蓚酸カルシウム結石が形成されたサインになるのか、私には因果関係を考察できません。
 でも、そんなことは偉い学者先生に任せておきましょうよ。飼い主さんにとって一番大事なのは、学理を勉強することなんかではないはずです。ストラバイト(尿晶)の恐怖から我が子
(犬・猫)を救うと共に、余計な苦労(蓚酸Ca結石)を背負わせないようにしてあげること。
 それには格別の努力を要しません。
茹で野菜を食べさせない(野菜には枝豆、豆腐 納豆、小豆のアンコ、野菜入りの肉缶詰なども含む)。これだけで確実に問題解決です。

 複雑多岐な迷路に踏み入ったら、原点に戻る。太古以来、オオカミやライオンは獲物を追って全力で走り、血だらけの生肉を食べて何万年も生き続けてきました。森林やサバンナで「茹で野菜」を食べる機会はないし、食べる必要もなかったのです。
 人間に飼われて家畜化した犬・猫はオオカミやライオンと違う。クマと同じ雑食動物で栄養学的に野菜・果物が不可欠だとする学説もあるようです。でも、むやみに盲信するなかれ。山野に捨てられた犬や猫たちが怪我で動けなくなったとき、豊富な草やドングリに囲まれながらも飢えて衰弱し、キツネやタヌキなどの餌になる。野菜・果物は栄養にならないのです。

 我が子(犬・猫)が健康で元気なら、何を食べさせようと構わないのかもしれない。けれど、せめてストラバイトの恐怖に脅えてる今だけでも、茹で野菜を食べさせるのは止めましょう。百害あって一利なし。尿をアルカリ性にしてストラバイトを作り、蓚酸カルシウム結石の材料になるだけです。どうか、くれぐれも、変な俗信に惑わされることなかれ。

 人間も犬も猫も、若くて元気で健康なときは尿pHが目まぐるしく変化し、一過性に酸性に
なったりアルカリ性になったりの上昇・下降を繰り返しています。
 若い我が子が
ストラバイト⇒輸入○○長期連用⇒尿pHが低下し酸性のまんま上昇せず⇒膀胱に蓚酸カルシウム結石、という定型的な不運に見舞われた飼い主さんに質問します。
 あなたがたの中で、茹で野菜(枝豆などの豆類を含む)はもちろん、生の野菜や果物なども全く食べさせていないと明言できる方がおられましたら、是非ご一報願います。
 蓚酸カルシウム結石の原因が茹で野菜にあるとする中島説と、生野菜も茹で野菜も関係ないとする野菜必須論者のどちらが正しいか。多数の事例を集め、茹で野菜有無の比率を見てみたい。数千:1か、数万:1か? 必ず我が中島説に軍配が上がるに違いなし。

 

 

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