●・祐ちゃんの純情!
フィリピンの行く…上 ◇『祐ちゃんフィリピンに!』そのT
祐ちゃんがフィリピンに!
・そのT
「チョット良いですか?」
と言いながら近づいて来たフィリピン人の名前はレイだ。
その風貌から日本人でないことが理解出来た。
渋谷、道玄坂、ヤマハ店頭の一階のステージ(今は無い)にてJAZZのパフォーマンスをした時だった。
自分で言うのも何だが、
ヤマハ生徒の中で選りすぐられたオレは一人だったんだからしょうがないでしょう。
サックス4人、プラス3リズム(ベース、ピアノ、ドラム)でのアンサンブルだった。
スタンダードのヘッドアレンジ(簡単なアレンジ)したそのステージが終わって、
バラシている時に声を掛けられたのである。
「実はメンバーを探しているのです」と流暢な日本語で語り掛けて来た。
片付けに忙しかった僕は、レイのメモチョウに電話番号を走り書きしてその日は別れた。
そして翌日にはレイから電話が入り逢いたいと言う。
レイの自宅に行くこととなり、自宅近くの保谷駅で待ち合わせた。
改札口を出たところでレイはすでに待ってくれていた。
「今日は」「いやーいやー、どうも」シェイクハンド。
「あそこにボクの車があります」
彼の車に乗り込んだ時、助手席にはトテモ綺麗な女性が乗っていて、
「今日は、マリエですよろしく」と握手をした瞬間一寸ドキっとしてしまった祐ちゃん。
レイが「私のワイフです」。
の一言でcooldownの祐ちゃん!
「普段はファッションモデルしてます」
綺麗な筈だ。
家で色々話を聞く。
マリエがボーカルで、レイがギター、
後ベースの定吉(サダヨシ)がメンバーとして決まっていて、
残ったドラム、キーボード、etc. を探していたのだという。
「中野さんドラムやってくれると嬉しいんですが・・・・・」とレイ。
「・・・・・うーん・・・・・」一様もったい付けているオレ。
「中野さんにぜひとも演って欲しいワァ!」はマリエの発言。
「演りましょう!」即決!
他のメンバーを探してぜひ紹介してくれと言う。
話を聞くと結構面白そうな話が伺えた。
それはこんな予定なのであった。
・・・・・フィリピンで興行を打つそうだ。
日本でバンドを組んでリハーサルをしフィリピンに渡り、
向こうでレコーディングする。
その後フィリピン国内をツアー、
向こうは物価が安いから毎日プール付きのホテル住まい、
しかもメイド付き。
そんなスケジュールが既に計画中であると言うのだ。
フィリピンで一旗上げ、
ソレをニュースソースにして、
次は日本国内で売り出す。
といった、壮大な計画なのだ。
今思うとフィリピンでは音楽の仕事がないからこうやって日本に出稼ぎに来ているんだよ!
そんなうまい具合に行くわけないでしょ〜!・・・・・って、
なんで冷静に考えられなかったのかなぁ〜?
・・・・・くやしいっす〜!
しかもその計画をなるべく早く実行に移したいという。
したがって足りないパートのメンバーを早急に決定しなければならない。
オレは・・・・・「(これで有名に〜?)面白そう!」
「外国に行ける・・・・・やったぁ〜!」
フィリピン行きを決める。
他のメンバーは誰が良いか?
と言われてすぐに思い付くのはその時のimpressionsのメンバーだった。
サックスは藤陸雅裕(売れっ子だ!熱帯JAZZ楽団、他)、
キーボードは福田重夫(売れっ子!ロンカーターと自分のアルバムをレコーディングした)、
そしてオイラは暇っ子である・・・・・ホットケ!を紹介する事になる。
藤陸のバンドで新宿ピットイン出演、控え室で「ねぇねぇ・・・・・フィリピン行かない?」
大体のあらすじを藤陸と福田に話す。
「何ソレ〜?」 「本当に大丈夫なの〜?」、
と、一見は不安そうな姿を装うが、
顔のニヤ付きを見るとまんざらではないと見た。
案の定 皆でリハーサルに入る事となる。
打ち合わせはレイの家、
リハーサルは吉祥寺のスタジオで演り、
レパートリーを固めた。
そして私の記憶が確かなら1983年の9月。
いよいよ機上の人となる。
そして丁度オープンチケットのギリギリ2ヶ月のとんでもない物語が始まる。
楽器はどうしたか?
良くゾ聞いてくれた!
レイ曰く「小さい楽器は良いけど大きな楽器はオーバーウエイトになるよ〜、
帰りのオーバーウエートも助かるし、向こうで高く売れば儲かるから、
ドラムはこっちで買ってそれを持って行った方が良いよ」
そして新品のドラムセット一式購入する事となる。
誰が買ったかって?
レイではなく、オレでした。
現金かって?そんな金有るわけないのでローンです。
賢い人はこの辺からオカシイ!と思うかもしれない。
まずは当然観光ビザで入国して仕事出来るのか?
楽器を勝手に向こうで売って良いのか?
(だいたい持ちこみのリストを書かされ、帰りにその荷物が無かったら大変な事だ、
でも置いてきてしまったから、当時はソレ程うるさくなかったのかな?)
それまでまるっきり縁のなかったパスポートを取り、
ワクワクドキドキしながら羽田(当時は羽田国際空港から)で待ち合わせる。
キーボードからドラムセット、アンプ類からスタンド類やらで
何やら凄い両の荷物になってしまった。
何しろ一グループ分の楽器フルセットだもの・・・・・。
荷物扱いのカウンターにドーッと持って行く、
係員はビックリしながらオーバーウェイト分の料金を計算、
ウン十万円となるが勿論そんな金など無い!
「レイ!どーするの?」
「大丈夫!僕を信じてよ〜ナントカなるから〜」
このレイの「ナントカなる」と、
「この目を見てよ〜!嘘ジャナイヨ〜!」
と言う言葉にこの後何度も騙される事となる、
・・・・・とはこの時点では予想出来る程我が脳は人並みではなかったぁ・・・・・クヤシイです〜!
しかしこの時ばかりはレイが言う通りとなったからビックリした。
搭乗時間ギリギリまで「払わないと乗れないぞ」・・・・・「払わない」・・・・・「じゃ帰るんだな〜!」、
「払えない・・・・・でも乗らないと困るんです」・・・・・と、
やりあっていた係員が出発時間が数分前に迫ったその瞬間、
楽器類をコンベアーに乗せ始めた。
「すぐに行きなさい!」と一言、
我々は急いでタラップから機内へと走り抜けた。
座席に案内され座る瞬間レイと目が合った。
「ネ!言う通りになったでしょ〜」と良いながら親指を立てウィンクした。
外人はウィンクが似合う。
フィリピンも外人、そうそう、オレにとってレイは害人(ガイジン)なのだった。
さて! この後どんなストーリーと相成るか?
かなりのドタバタ道中記が待っているのだった。
後ご期待!!
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